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2013 年度 実績報告書

植物共生メタノール資化性細菌の葉上における生存戦略に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23580122
研究機関岡山理科大学

研究代表者

三井 亮司  岡山理科大学, 理学部, 准教授 (60319936)

キーワード植物共生微生物 / メチロトローフ細菌 / Methylobacterium / PQQ / 二酸化炭素 / Phyllosphere / Rhizosphere / Rhizobium
研究概要

古くより植物は微生物との共生関係を作り、窒素固定の他、物質を介したコミュニケーションを行っていることが知られている。本研究課題では主に植物葉上に優占種として生育しているMethylobacterium属細菌に着目し、現在まで主に注目されてきた土壌微生物だけでなく葉上微生物と植物との関係を明らかにすることで、自然界における物質循環ひいては作物などの農業分野への応用を目指した。
Methylobacteium属細菌はメタノールを唯一の炭素源として生育できる細菌(メチロトローフ細菌)であるが、自然界に広範に見いだされることから古くよりメタノールの由来が何であるか議論されてきた。近年では植物の細胞間を埋めるペクチンのメチルエステルが植物生長に伴い加水分解され、メタノールが著量放出されることが明らかとなっている。本研究課題ではメタノール以外にも植物と微生物の共生的な物質のコミュニケーションに関わる物質の同定を目指して検討を重ねた結果、希土類元素(La, Ce, Nd, Pr)やPQQ、二酸化炭素などがそれぞれの役割を持って作用していることを明らかにした。特に希土類元素によって微生物のメタノールへの生育が活性化される機構は新しく、従来知られたCaによるメタノールデヒドロゲナーゼの活性化機構に加えて、新たに生物の必要因子として知られていなかった希土類元素が新規なメタノールデヒドロゲナーゼの補欠分子として機能していることを明らかにできたことから、本研究課題が大きく進展するものとなった。これにより、根粒菌などの土壌細菌も新たにメタノールデヒドロゲナーゼ活性を有し、メタノール生育が可能であることも明らかになった。
最終年は本課題で明らかになった事実から新たな課題が見えてきており今後のさらなる展開が期待できると考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] Methylobacterium extorquensのメタノール生育におけるレアアース要求性とその役割2014

    • 著者名/発表者名
      日比野歩美 三井 亮司 谷 明生 田代 晋也 早川 享志 中川 智行
    • 学会等名
      日本農芸化学会2014年度大会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] メチロトローフ細菌Methylobacterium extorquens AM1の希土類に対するメタノールデヒドロゲナーゼ応答機構2014

    • 著者名/発表者名
      三井亮司 峰松由季 桑原朋代 中川智行 谷明生 田中三男
    • 学会等名
      日本農芸化学会2014年度大会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] Rare earth elements-dependent methylotrophic autotrphy of Bradyrhizobium japonicum USDA1102013

    • 著者名/発表者名
      Ryoji Mitsui, Masaki Adachi, Sachiko Masuda, Akio Tani, Kiwamu Minamisawa, Tanaka Mitsuo
    • 学会等名
      18th International Congress on Nitrogen Fixation
    • 発表場所
      宮崎
    • 年月日
      20131014-20131018
  • [学会発表] レアアースはメチロトローフ細菌のメタノール生育の鍵因子である2013

    • 著者名/発表者名
      日比野歩美,三井亮司,谷明生,田代晋也,早川享志,中川智行
    • 学会等名
      日本農芸化学会中部支部第168回例会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20131012-20131012
  • [学会発表] 光合成Bradyrhizobium属のメタノール依存的な生育に及ぼす希土類元素の影響2013

    • 著者名/発表者名
      関謙二郎 包智華 三井亮司 谷明生 増田幸子 三井久幸 南沢究
    • 学会等名
      微生物生態学会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      2013-11-23
  • [学会発表] Rice methanotrophic diazotrophs as non-legume rhizobia2013

    • 著者名/発表者名
      Kiwamu Minamisawa, Zhihua Bao, Kenji Seki, Dongyan Liu, Susumu Asakawa, Haruko Imaizumi-Anraku, Kazuhiro Sasaki, Seishi Ikeda, Akio Tani, Sachiko Masuda, Ryoji Mitsui, Takashi Okubo
    • 学会等名
      18th International Congress on Nitrogen Fixation
    • 発表場所
      宮崎
    • 年月日
      2013-11-17

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公開日: 2015-05-28  

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