研究概要 |
腎萎縮、結石及び壊死に起因する血管網障害を治癒するため、血管網の再生が重要な課題であり、血管網の時空間的形成機序の解明が糸口である。本研究の目標は、マウス胎児のin vivo イメージングに必要な低侵襲技術を樹立し、可視化システムを開発、さらに生体外における腎血管網の構築や再生の可能性を探求する。初年度うは既に血管網の鋳型作成法と鋳型血管観察法を開発し、次年度はangiogenesisの開始時刻を解明し、体内移植によりangiogenesisの優先発生からvasculogenesisの誘導が可能であることが明らかにした。最終年度の今回は生体外in vitroで腎血管網構築法を試み、気液相培養法による腎血管網の構築に成功した。また、低酸素、拍動流など物理条件を加え、前者は組織内の血管網の形成に大きな影響がないが、後者が影響あることを明らかにした。また、Al, Zr, Ti等のセラミックス多孔性担体を足場とし、気液相培養条件に加え、後腎を培養した結果、酸化アルミニウム担体が血管網形成を促進することが分かった。上記の成果を平成25年6月18-19日に日本動物細胞工学会、9月27-29日に第51回日本人工臓器学会/第5回国際人工臓器学術大会、12月14-18日に2103 ASCB(米国細胞生物学会)、平成26年3月4-6日に日本再生医療学会で其々発表した。また、これらの成果をまとめ、論文を作成し、学術国際誌J. nephrologyに投稿し、現在審査中である。
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