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2012 年度 実施状況報告書

新たな重合分子を介した細胞形態制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 23580130
研究機関東京大学

研究代表者

伊原 さよ子  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (80292788)

キーワード細胞骨格 / 重合
研究概要

細胞は外界からの様々な刺激に応じて適切に形態を変化させる。SWAP-70は刺激依存的な細胞膜、アクチンの構造変化に関与することで、形態変化に重要な役割を果たす分子の一つである。最近、このSWAP-70の新たな機能として刺激依存的に重合活性を持つ可能性を見いだしたため、本研究ではSWAP-70の重合能に焦点をあて、刺激依存的細胞形態制御における新たな分子機構を明らかにすることを目的とした。
本年度はまず、昨年度確立したn vivo重合検出系を用いてSWAP-70の重合のタイミングを経時的に観察した。その結果、細胞を刺激後、細胞の形態変化の指標として着目しているラッフリング形成が起きる前からSWAP-70の重合が観察された。そこで、重合がアクチン再構成開始以前に起きている可能性が考えられたため、アクチン重合阻害剤の影響を検討した。その結果、SWAP-70の重合は阻害剤存在下でも影響がみられなかったため、アクチン重合非依存的であることが示唆された。さらに重合に必要な上流シグナルを明らかにするため、各種シグナル伝達分子の阻害剤を用いた解析を行った。その結果、刺激依存的なSWAP-70の重合にはPI3 キナーゼ, src キナーゼが必要であることが示唆された。以上の結果から、SWAP-70の少なくとも一部は細胞刺激後、これらの上流シグナルをうけてアクチンの再構成非依存的に重合することが示唆される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度の重合系の確立に時間がかかった分、やや遅れているが、その他は予定通り進行している。

今後の研究の推進方策

in vivo 重合検出系において得られた重合に関する知見をもとに、in vitroの系において重合の再構成を試みる。さらに重合がラッフリング形成にはたす役割について検討する。

次年度の研究費の使用計画

細胞培養のための血清、培地等の基本的試薬、消耗品類、分子生物学的実験・生化学実験に必要な試薬、消耗品類、受託解析費用に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Scattering of MCF7 cells by heregulin beta-1 depends on the MEK and p38 MAP kinase pathway2013

    • 著者名/発表者名
      Okoshi R, Shu CL, Ihara S, Fukui Y.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: 53298

    • DOI

      10.1371

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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