① 固定化麹触媒の作成条件の最適化を試み、クロロゲン酸との接触時間は24時間以上で、クロロゲン酸濃度は0.2% 以下で、クロロゲン酸加水分解酵素が最高の酵素活性で得られることが明らかにかった。本研究成果に関係する論文を2報発表した。 ② 熱処理した麹菌の菌糸体を使用して、マテ茶からキナ酸とカフェ酸を連続的に調製する原理についてその概要を明らかにした。現在、新規な論文として投稿準備中にある。 ③ イオン交換カラムクロマトグラフィーによって、クロロゲン酸、カフェ酸、及びキナ酸を互いに他を含むことなく単離精製する方法を、DEAE-Sephadex A-25カラムによって実現した。2014年5月8-10日にモンテビデオ(ウルグアイ)で開催の、第6回世界マテ茶会議で発表するための講演要旨を投稿している。 ④ 工業的規模でマテ茶抽出液からキナ酸とカフェ酸を調製するには、マテ茶抽出液を活性炭カラムで脱色したのち、バッチ法によってイオン交換樹脂(DEAE-Sephadex A-25)と混和すると、キナ酸は吸着されずにろ液に回収された。イオン交換樹脂を0.15M食塩水に浸漬すると、未反応のクロロゲン酸が回収でき、残ったイオン交換樹脂を0.2M 食塩水に浸漬することで、カフェ酸は回収できた。活性炭及びイオン交換樹脂ともに繰り返して再利用が可能であることも実証した。 本研究成果として述べた上記の方法によって、マテ茶から容易にキログラムレベルの収量を実験室でも達成することができた。シキミ酸製造法が隘路となっていたタミフル合成に大きく貢献する技術として、マテ茶生産の盛んな南米大陸中央部から新しい技術として発信されることになる。
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