研究課題/領域番号 |
23580141
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
高橋 勇二 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20154875)
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研究分担者 |
梅村 真理子 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (30521489)
中野 春男 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (60601870)
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キーワード | ATF5 / 学習行動 / 不安行動 / 多動 / 社会性行動 / 自閉症 |
研究概要 |
昨年に続いてATF5欠損が行動におよぼす影響を検討した。 記憶行動実験:混合要因の比較的少ないBarnes maze試験とcued and contextual fear conditioning試験、eight-arm radial maze試験を実施し、作業記憶、参照記憶、文脈記憶を昨年に続いて再評価した。しかし、3種類の記憶行動実験の結果に有意な変化は認められなかった。 不安行動、社会性行動試験:Open Field試験、Light / Dark Transition試験、Social Interaction試験、Social Interaction試験(Crawley’s version)、T-maze試験を実施した。Open Field試験では、テスト開始後に多動であるが、その後、中央部手過ごす時間と活動量が大きく減少した。また、暗所での行動量が多く、静止時間が減少していた。このような、多動、不安用行動の増、社会性行動の低下が認められた。また、固執行動の増加が認められた。これらの行動学的な特徴は自閉症スペクトラムと特徴が一致していた。しかし、Tail suspension試験、Repulse inhibition試験に有意な羽認められず鬱モデル、統合失調症のモデル動物にしばしば認められる行動学的特徴は認められなかった。このようにATF5欠損マウスは、自閉症のモデルマウスとなり得る可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、ATF5欠損マウスは記憶学習能力に影響をおよぼすことを予想した。しかし、当初の予想に反して記憶学習能力に有意な変化を認めることはできなかった。一方、不安、多動、固執傾向を示すなど自閉症様の行動特徴を示した。このように、研究は新たな方向へと順調に展開を示している。
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今後の研究の推進方策 |
不安、多動、固執傾向を制御する系として、モノアミン系が予想される、そこで次年度は脳の各部位におけるモノアミン系を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
脳の各部位におけるモノアミンの定量と動物の維持に使用する予定である。
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