研究課題
「最終年度研究成果」:前年度までにkynureninを処理することでインドールピルビン酸(IPyA)から天然オーキシン(IAA)への変換酵素をコードするYUCCA遺伝子ファミリーの発現が上昇することと変換活性が上昇することを明らかにしてきた。最終年度では合成オーキシンである2,4-Dを投与することでIPyAからIAAへの変換活性が下がること見出した。このときにYUCCA遺伝子ファミリーの発現は減少しており発現制御と代謝制御は一致している。また、オーキシン過剰・欠損変異体での遺伝子発現解析を行った結果、それぞれ合成オーキシン投与・オーキシン生合成阻害剤投与時と同様の結果が得られた。「研究期間全体成果」:本研究では合成オーキシン投与・オーキシン生合成阻害剤投与およびオーキシン過剰・欠損変異体を用いることで短期的・長期的なオーキシン過剰または欠損状態を作りだし、オーキシン生合成のフィードバック制御機構を生合成遺伝子の発現制御と代謝解析により調べた。その結果、主にYUCCAのステップ(オーキシン生合成の律速酵素)でオーキシン量に応じた負のフィードバック制御があることを明らかにした。このことはオーキシンのホメオスタシスにオーキシンの生合成がYUCCAステップを中心に寄与していることを示している。本研究成果はオーキシン量の調節による発根促進や着果安定などの農業技術の改善に貢献できると考えられる。
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Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: 78 ページ: 67-70
10.1080/09168451.2014.877183