酵素触媒と有機合成をあわせて活用する物質生産プロセスの効率向上を目指し、反応速度論上のパラメーターが好適で、かつ反応媒体にもよい親和性を示す基質を分子設計、合成した。具体的には、まず、微生物全菌体還元の基質として機能するα-ハロケトンの構造最適化を行った。そのものを基質とし、新規に探索した酵素を用いた還元を鍵段階として、テルブタリンの合成を達成した。一方、位置選択性および官能基多様性を最大限に発揮できる、アラビノースやグリカール誘導体を基質設計し、大量合成法を確立した。後者では酵素反応生成物に対する立体選択的Ferrieer反応を可能とし、L-フコースやL-グルコースの合成前駆体へと導いた。
|