今後の研究の推進方策 |
本研究での目的は「有機分子中のフルオラスバランスを考慮したフルオロミクスの概念を有機合成手法に導入し、新しい低炭素化合成システムを達成することであり、①半永久的リサイクル型フルオラスメタセシス触媒の創成, ②ミディアムフルオラス縮合剤の開発, ③溶媒組成変化に基づくフルオラス触媒簡易回収システム, ④アミノ酸不斉中心のフルオラスエンコード法による液相コンビナトリアルペプチド合成の達成を目指すと共に, これら①~④の知見を統合した合成手法により、実際に有用な生理活性ペプチド類の省エネルギー型合成をエンドポイントとして達成することである。②は既に達成できていることから、本フルオラス縮合試薬(和光純薬コードNo.037-20913)を鍵反応に用いて、④のアミノ酸不斉中心のフルオラスエンコード法による生理活性ペプチド類縁体(Tenuecyclamide A)のすべての立体異性体の液相コンビナトリアル合成の達成を目指す。また同時に有機合成分野において強力なツールの一つであるメタセシス反応に関して、①の簡便にリサイクルできるフルオラスメタセシス触媒の創成も並行して展開する。
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