研究課題/領域番号 |
23580165
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
山崎 英恵 龍谷大学, 法学部, 准教授 (70447895)
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キーワード | 甘味 / 嗜好性 / リック試験 / ショ糖 / 糖尿病 |
研究概要 |
現在までに主にエネルギーを持つ甘味であるショ糖に対する感受性やその選択性と身体の生理的状態(エネルギー代謝状態)の関係について検討してきた。本研究では特に、嗜好性の検出に適したリック試験や質量分析による呼吸交換比測定を利用したエネルギー状態の検討により、健常および糖尿病モデル動物を用いた実験を行なった。動物はショ糖同様に低カロリー甘味料への高い嗜好性を示すものの、糖尿病発症により口腔内における甘味反応性が変化することが示された。これらの結果を踏まえ、甘味物質を暴露したマウス舌上におけるグルコース輸送担体およびエネルギー代謝関連遺伝子の発現について解析を行ってきた。マウス舌上皮有郭乳頭からの味細胞単離の系を構築し、口腔内への甘味物質暴露による遺伝子発現解析を進めた。現在のところ、AMPKおよびGLUT1,2については、甘味暴露による有意な変化は認められておらず、今後より詳細な解析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成25年度に行う予定であった口腔内でのエネルギー情報信号の探索やその伝達系解析については、口腔内からの舌上皮の剥離と味細胞の単離ができるようになり、リアルタイムPCR法およびウェスタンブロット法による解析を現在も進めている。しかしながら、平成25年4月より所属機関が移り、実験環境のセットアップや動物実験における諸手続きとその他の業務に予想以上の時間を要し、本来ならば終了年度であったが延長申請を行うこととなった。そのため、達成度においては予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
25年度に行う予定であった舌上での糖取り込みについて検討を進めるとともに、糖暴露後に単離した味細胞における遺伝子発現解析を終了させる。これまでにAMPK、GLUT2等の発現を観察しているが、細胞内へのグルコース輸送を担うSGLT1-3の発現についても解析を確定する。また、最終年度の研究予定であった中枢へエネルギー情報を伝える信号とエネルギー基質の選択性についても検討を行い、研究課題の完了とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に予定していた研究計画は、申請者の所属機関の移動に伴う実験環境整備に予想以上の時間を要したことから、遅れが生じている。このため、一年の延長申請を行ない、次年度使用額が生じた。 研究にはマウス、ラットを用いるため実験動物購入費用ならびに、リアルタイムPCR用のプローブ、試薬類などの消耗品が主な用途となる。限られた期間内で最大の成果を得るため、研究効率化を目的としたウェスタンブロット用のレディゲル、および各種キット類の使用を予定している。これらに伴う消耗品に対する経費利用を予定している。
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