甘味物質が持つ味質とエネルギー情報に着目し、それらの口腔内での受容が脳における情報判断や満足感の発生にどう関わっているのかを解明することを目的とし、甘味物質として絶対的なおいしさを持つショ糖と低カロリー甘味料の摂取時の満足感の差異に寄与する要因について、実験動物を用い中枢と末梢の両側面から詳細な検討を行った。低カロリー甘味料に対する口腔内での甘味反応性がショ糖とは異なる傾向を示すこと、甘味提示時の脳内ドーパミン遊離のタイミングが糖尿病発症前後でずれることが確認された。本研究結果より、ショ糖の満足感は、甘さ(味質)と口腔内でのエネルギー情報受容の組み合わせにより成立している可能性が考えられる。
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