研究課題
女性ホルモン(17β-エストラジオール、E2)がエストロゲン受容体(ER)αを介して脱ユビキチン化酵素USP19の発現を亢進した結果として筋分化を抑制するが、ERβを活性化させることでその筋分化抑制を解除することを見いだした。USP19の筋量調節におけるin vivoでの役割を検討するため、マウスの後肢筋肉のUSP19の発現をノックダウンした。その結果、♀ではヒラメ筋と腓腹筋の量が増加したが、♂では同じ効果は観察されなかった。これらの結果からUSP19が特に♀の筋量を調節する因子であることが判明した。また大豆イソフラボン(ダイゼインとゲニステイン)は一般的にERβアゴニスト活性を持つので、筋芽細胞株C2C12細胞におけるイソフラボンのER活性を測定したところ、ダイゼインはERαよりもERβに対するアゴニストとして、一方でゲニステインはERαにもERβにも同じレベルで応答するアゴニストとして作用することが判明した。そこで♀マウスにダイゼインを摂取させたところ、ヒラメ筋と腓腹筋においてUSP19の発現レベルが低下し、筋重量が増加した。しかしダイゼインによるこれらの効果は♂マウスでは観察できなかった。さらにUSP19の標的タンパク質を探索するための評価系を構築するために、組換え型USP19タンパク質と欠損変異型USP19をC2C12細胞内で発現させ、筋分化抑制を指標にUSP19が筋分化に関与する領域(USP19Cと名付けた)を同定した。組換え型USP19Cタンパク質を作製し、精製した。組換え型USP19Cを樹脂に結合させ、USP19Cに特異的に結合するタンパク質を探索したところ、既知のUPS19結合タンパク質であるHSP90がこの樹脂に結合したことから、作製した組換え型USP19Cを用いて、USP19の標的タンパク質を探索することが可能であると判断した。
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