研究課題
日本人は元来、インスリン分泌能が低く、食事・生活様式の欧米化による僅かな肥満が加わると容易に糖尿病を発症する。最近この課題の解決手段としてインクレチン制御が浮かび上がってきた。インクレチンとは、食事摂取に伴い消化管から分泌され、膵β細胞に作用してインスリン分泌を促進するペプチドホルモンの総称であり、中でも特にGLP-1(Glucagon-like peptide-1)が2型糖尿病の予防・治療に有効と考えられている。以上の背景から本研究は、GLP-1の分泌促進作用を持つ食品因子とその機序を解明し、これを活用した新たな糖尿病予防・抑制研究の科学基盤を構築するものである。 GLP-1分泌能を持ち食品因子による促進評価系を細胞レベルおよび動物個体において構築した。その結果、最適な細胞の選定と評価条件を明らかにすることができた。この評価系を用いていくつかの食品因子について検討を行い、陽性のものを得ている。この検討については今後も継続する。一方動物個体での評価については、現時点でまだ条件選定にいたっていないが、めどがついているのでこの系を用いて細胞レベルでヒットした成分について検討を行っていく予定である。
3: やや遅れている
評価系の構築とヒット成分の選定に多大な時間を費やしたため、当初の予定であったメカニズム解明の一部を実施する点は達成できなかったためである。
当初の予定よりは若干の遅れはあるが、評価についてのめどはついているので、研究計画に従い十分に遅れを取り戻して順調に進行できると考えられる。
今年度と同様に謝金と調査研究旅費に加えて物品費として使用する。謝金:1200,000円旅費:50,000円物品費:試薬類、実験動物購入等として 292,254円
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)
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