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2013 年度 実績報告書

酸化ストレス制御転写因子を標的とした脂肪肝炎の発症機構の解明と食品成分による予防

研究課題

研究課題/領域番号 23580188
研究機関近畿大学

研究代表者

田中 裕滋  近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (00465650)

研究分担者 上硲 俊法  近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (20233934)
キーワードNrf2 / 酸化ストレス / 脂肪肝炎 / 食品機能
研究概要

25年度に食品でNrf2アゴニストと考えられているワサビの成分である6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6- MSITC)の脂肪肝及び鉄蓄積の改善効果について以下の食餌を野生型(WT)及びNrf2欠損(KO)マウスに摂取させ検討した。1) 4%大豆油食12週間(コントロール食) 2) 4%大豆油+31%ラード食12週間(高脂肪食) 3) 2)の高脂肪食12週間に6- MSITC10mg/Kg/day週4回最終4週腹腔内投与 4) 2)の高脂肪食+1%カルボニル鉄12週間(鉄添加高脂肪食) 5) 4)の鉄添加高脂肪食12週間に6- MSITC10mg/Kg/day週4回最終4週腹腔内投与。1)2)3)の群間で比較すると2)で形成された脂肪肝はWTで6-MSITC投与にて改善され炎症マーカーも改善傾向が認められたがKOでは改善されなかった。遺伝子発現は肝内への脂肪酸取込遺伝子CD36及び脂肪酸合成酵素の転写因子SREBP-1cが2)のWTで発現増加を認め6-MSITC投与により抑制傾向にあったがKO群間では変化を認めなかったことより、これら遺伝子発現への6-MSITCの影響が脂肪肝改善に寄与した可能性が考えられた。4)5)の群間で6-MSITCの肝内鉄値への影響を検討したところWT及びKO両方で鉄抑制効果を認めず、鉄代謝関連遺伝子の発現も6-MSITCによる変化を認めなかった。23年度と24年度にはWTに比してKOの肝臓で脂肪酸酸化酵素と鉄代謝関連遺伝子の発現調節不全と中性脂肪及び鉄値の増加傾向が認められたことよりNrf2と脂肪肝炎発症との関連性が示唆された。25年度にはワサビ成分6-MSITCにより肝内鉄蓄積は抑制されなかったが脂肪肝炎はNrf2依存性に改善傾向が認められた。以上のことよりNrf2を標的とした食品成分による脂肪肝炎の予防の可能性が明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ワサビ由来6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートはマウスの高脂肪食誘発性脂肪肝をNrf2依存性に改善する2014

    • 著者名/発表者名
      田中裕滋、池田高紀、山本和夫、小川博、上硲俊法
    • 学会等名
      第50回日本肝臓学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20140530-20140530
  • [学会発表] Wasabi derivative 6-methylsulfinylhexyl isothiocyanate, a potent Nrf2 activator, prevents the fatty liver produced by a high-fat diet but did not attenuate hepatic iron overload in mice2013

    • 著者名/発表者名
      Yuji Tanaka, Toshinori Kamisako
    • 学会等名
      64th Annual Meeting of the American Association for the Study of Liver Diseases
    • 発表場所
      Washington, D.C., USA
    • 年月日
      20131102-20131102

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公開日: 2015-05-28  

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