研究課題/領域番号 |
23580190
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
木村 俊之 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター環境保全型農業研究領域, 主任研究員 (70355303)
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研究分担者 |
宮澤 陽夫 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20157639)
仲川 清隆 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80361145)
山岸 賢治 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター環境保全型農業研究領域, 主任研究員 (80355304)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | DNJ / 吸収・代謝 |
研究概要 |
桑葉は1-デオキシノジリマイシン(DNJ)と呼ばれるαグルコシダーゼ阻害剤(α-GI)を含み、食後血糖値上昇を抑制し、糖尿病予防効果が期待される食材である。桑葉DNJが機能性食材として展開されるためには、その安全性と効能発現メカニズムを十分に科学的に検証する必要がある。本研究では、安定同位体15NでラベルしたDNJを作成し、DNJの吸収、蓄積、代謝、排出バランスを明らかにすることを目的とする。平成23年度はラベル化DNJを作成するために、DNJ生産能力の知られているBacillus属細菌を入手し、培養上清中のDNJ高生産株を選抜した。その後、DNJ生産に最適な培地組成、培養条件を詳細に検討し、DNJ生産のための培養スケールを決め、菌体増加とDNJ生産量のタイムコースを測定した。結果の詳細な内容については、将来の知財化の可能性があるため詳細な記述は差し控えるが、Bacillus amyloliquefaciens に属するある菌を用いて種々検討を行った結果、培養上清あたり1g以上のDNJを生産する培養技術の開発に成功した。ヒト結腸癌由来の細胞株CaCo2細胞に桑DNJと2-デオキシグルコースを添加し、一定時間取り込ませたのち細胞を回収し、細胞溶解液の2-デオキシグルコースの取り込み量の測定をLC-MS/MSで行ったが、2-デオキシグルコースの分析が良好に行えなかった。このため、更なる分析の検討が必要であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画において平成23年度にラベル化DNJの作成手法を開発し、平成24年度にラベル化DNJの精製、平成25年度に評価の流れになっているが23年度にDNJを高生産する見込みが立ったことから研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に確立した技術により窒素ラベルした培地によりDNJを大量生産し、安定同位体15Nでラベルした精製DNJを数グラム製造する。また、生体中のラベル化DNJの検出法を検討する。CaCo2細胞における2-デオキシグルコースの分析法を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は、交付金申請時の計画どおり使用する。なお、次年度使用額384円は研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のため使用する。
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