• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

多様な生態系機能を考慮した非皆伐による森林施業

研究課題

研究課題/領域番号 23580194
研究機関北海道大学

研究代表者

吉田 俊也  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (60312401)

キーワード生態系管理 / 多面的機能 / 非皆伐施業 / 針広混交林 / シミュレーション
研究概要

本申請課題では、北海道北部の、択伐によって管理されている天然生林を対象として、1.森林の持つ複数の機能評価、2. それら各種の機能が持つ、森林の構造的な特性との関係の解明、3. 森林動態シミュレーションモデルの結果をもとに、量的・質的なガイドラインを含む森林管理モデルを提示することを目的とした。2012年度は、それぞれ、下記の項目について調査を進めた。
1. 択伐林分における、生態系炭素貯留の評価を、前年度にひき続いて進めた。別の研究で得られたリモートセンシング(航空機LiDAR測量、空中写真)データを用いて、長期的な変化を推定した。また、施業-無施業それぞれの小流域を対象として、河川流量・水質および土壌の調査を実施した。さらに。生物多様性の評価のひとつとして、林床植生に関する調査を進めた。
2.  林分の構造的な特性の中で、とくに生物多様性と密接な関係を持つ構成要素に注目し、それらの存在量や空間パターンを比較する研究を継続して進めた。今年度の調査ではとくに枯死木に焦点をあてた。個体ごとの枯死の形態を分類し、枯死要因を明らかにするための研究を進めた。また、地上レーザー計測を用いて林分構造を把握した。
3. これまでに構築してきたシミュレーションモデル(SORTIE/ND)に、上述の調査で新たに得られたパラメータ値を取り込み、モデルの改善を進めた。その成果として、施業シナリオ分析の結果が国際誌に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した、平成24年度の実施予定項目(炭素貯留量の推定、下層植生・枯死木、流量・水質調査)は順調に達成することができた。一部、予定していた調査が完了しなかったケースもあったが、次年度以降に補うことが可能な範囲と考えている。

今後の研究の推進方策

補足的なデータ収集を続けるとともに、これまで得られた結果を関連学会で発表し、さらに学術論文としてとりまとめる。シミュレーション研究の結果も合わせて、望ましい森林施業のシナリオを提示する。

次年度の研究費の使用計画

経費の節減により生じた未使用額については、フィールド調査におけるプロットの設定に必要な消耗品購入に充てる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] An alternative management regime of selection cutting for sustaining stand structure of mixed forests of northern Japan - a simulation study2013

    • 著者名/発表者名
      Yasuda Akira, Yoshida Toshiya, Miya Hisashi and Brian Harvey
    • 雑誌名

      Journal of Forest Research

      巻: 18 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] 北海道北部のササ掻き起こし地におけるミズナラ実生の分布と動態.

    • 著者名/発表者名
      朝田一平・吉田俊也
    • 学会等名
      第60回日本生態学会大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡市)
  • [学会発表] 樹木更新サイトとしての枯死木の利用性と樹種組成との関係

    • 著者名/発表者名
      井上太樹・吉田俊也
    • 学会等名
      第60回日本生態学会大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡市)
  • [学会発表] 北海道北部の天然生針広混交林における主要な枯死形態とその要因

    • 著者名/発表者名
      佐藤剛・井上太樹・吉田俊也
    • 学会等名
      第60回日本生態学会大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡市)
  • [学会発表] 航空機ライダー測量による森林バイオマス推定に樹種・地形が与える影響の評価

    • 著者名/発表者名
      埋金宏光・吉田俊也
    • 学会等名
      第124回日本森林学会大会
    • 発表場所
      岩手大学(盛岡市)
  • [学会発表] 北海道北部の天然生混交林択伐施業地の30年間の動態

    • 著者名/発表者名
      吉田俊也
    • 学会等名
      第124回日本森林学会大会
    • 発表場所
      岩手大学(盛岡市)
  • [学会発表] 北海道北部の天然生林─持続的利用への展望─

    • 著者名/発表者名
      吉田俊也
    • 学会等名
      第17回道北の地域振興を考える講演会
    • 発表場所
      名寄市立大学(名寄市)
    • 招待講演
  • [備考] 吉田俊也

    • URL

      http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/~member/yoshida/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi