研究課題/領域番号 |
23580198
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾張 敏章 東京大学, 農学生命科学研究科, 講師 (00292003)
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研究分担者 |
宮本 敏澄 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00343012)
芝野 博文 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00143412)
坂上 大翼 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (90313080)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 積雪制御 / 積雪除去 / 降雪遮断 / 融雪促進 / 暗色雪腐病菌 / 感染防除 / 天然更新 / 天然林再生 |
研究概要 |
1.積雪制御手法の適用が積雪状態と林床環境に及ぼす影響を明らかにするための野外実験を開始した。11月中旬、演習林苗畑に4つの処理区(除雪、融雪剤散布、雪囲い、凹凸)と対照区を各4か所、計20か所の試験区を設置し、積雪深と土壌凍結深を定期的に測定した。また、各試験区の地表面にデータロガーを設置し、温度と土壌水分を計測した。3月中旬には除雪と融雪剤散布の各処理を実施した。2.積雪制御手法の適用が種子の菌感染と種子活性に及ぼす影響を明らかにするための野外実験を開始した。1月中旬、演習林内の平坦地に4つの処理区(除雪、融雪剤散布、雪囲い、嵩上げ)と2つの対照区(接種、非接種)を各4か所、計24か所の試験区(コンテナボックス)を設置した。非接種区を除く各試験区の土壌には暗色雪腐病菌を接種した。トドマツ、エゾマツ、ウダイカンバの種子をそれぞれシードバックに入れ、各試験区の土壌表面に置いた。積雪深を定期的に測定し、データロガーにより地表面温度と土壌水分を計測した。3月中旬には除雪と融雪剤散布の各処理を実施した。3.積雪下で種子が暗色雪腐病菌に感染する時期を特定するため、自然条件下の林床にエゾマツ種子を入れたシードバッグを設置し、暗色雪腐病菌への感染率と種子の活性率の変化を調査した。その結果、種子菌感染率は積雪開始の1ヶ月後から増加したが、その後は変化せず、融雪期において再び増加した。一方、種子活性は積雪期間を通して徐々に減少した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従って2種類の野外実験を開始できたとともに、積雪下においてエゾマツ種子が暗色雪腐病菌に感染する時期について知見が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に従い、平成23年度から実施中の野外実験によって得られたデータの解析を行う。また、積雪制御手法の適用が積雪状態と林床環境に及ぼす影響、および積雪制御に伴う林床環境の変化が種子の菌感染と種子活性に及ぼす影響について、天然林内で実証試験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今冬は例年になく気温が低く推移したために雪解けが遅れ、野外実験の期間が予定よりも長引いた。そのため、積雪処理の追加実施やシードバッグの回収・運搬、試験地の後片付け等に研究費を使用する計画である。
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