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2013 年度 実績報告書

積雪制御による天然更新促進技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23580198
研究機関東京大学

研究代表者

尾張 敏章  東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (00292003)

研究分担者 宮本 敏澄  北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (00343012)
芝野 博文  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00143412)
坂上 大翼  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (90313080)
キーワード積雪制御 / 積雪除去 / 地表処理 / 融雪促進 / 暗色雪腐病菌 / 感染防除 / 天然更新 / 天然林再生
研究概要

1.積雪制御が林床環境に及ぼす影響を明らかにするため、天然林内で3種類の積雪制御手法(凹凸処理、除雪、融雪剤散布)を適用し、積雪深、土壌凍結深、地表温度、土壌水分量の推移を測定した。その結果、次の点を明らかにした。①地表の凹凸処理は冬期間に土壌凍結を顕著に促進し、これに伴い地表温度と土壌含水率の低下をもたらす。②春先の除雪は、消雪を早期化することで土壌凍結の融解・地表温度上昇・土壌乾燥の早期化に寄与する。③天然林内での融雪剤散布には融雪効果がほとんど見られない。
2.積雪制御に伴う林床環境の変化が種子の菌感染と活性に及ぼす影響を明らかにするため、上記1.と同一の試験区に針葉樹2種(トドマツ、エゾマツ)の種子を設置し、融雪後の菌類感染率、健全種子率、発芽率を調べた。その結果、次の点を明らかにした。①地表の凹凸処理は、特に低標高において、菌類の種子への感染・加害を抑制する可能性がある。②除雪および融雪剤散布には菌類の種子への感染・加害を抑制する可能性は非常に低い。
3.本研究期間中に実施した野外実験、林内実証試験の結果より、天然更新を促進するための積雪制御手法として、地表の凹凸処理が最も有効である可能性の高いことが示された。重機を用いた地表の凹凸処理は実用化も比較的容易であると考えられ、冬期間の土壌凍結を促進することで、菌類の種子への感染・加害を抑制し、自然散布種子の発芽率を向上させる効果が期待できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 天然林内における積雪制御手法の適用が積雪深・期間と土壌凍結に及ぼす影響-積雪制御による天然更新促進技術の開発に向けて-2014

    • 著者名/発表者名
      尾張敏章・坂上大翼・芝野博文・宮本敏澄
    • 雑誌名

      北方森林研究

      巻: 62 ページ: 17-18

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 積雪の制御が土壌伝染性菌類のエゾマツ・トドマツ種子への加害に及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      宮本敏澄・尾張敏章・坂上大翼・芝野博文
    • 雑誌名

      日本森林学会大会学術講演集

      巻: 125 ページ: 145

  • [学会発表] 天然林内における積雪制御手法の適用が積雪深・期間と土壌凍結に及ぼす影響-積雪制御による天然更新促進技術の開発に向けて-

    • 著者名/発表者名
      尾張敏章・坂上大翼・芝野博文・宮本敏澄
    • 学会等名
      第62回北方森林学会大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
  • [学会発表] 積雪の制御が土壌伝染性菌類のエゾマツ・トドマツ種子への加害に及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      宮本敏澄・尾張敏章・坂上大翼・芝野博文
    • 学会等名
      第125回日本森林学会大会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ

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公開日: 2015-05-28  

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