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2012 年度 実施状況報告書

狩猟の担い手の維持の空間的・社会的条件に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23580201
研究機関信州大学

研究代表者

三木 敦朗  信州大学, 農学部, 助教 (60446276)

研究分担者 小池 正雄  信州大学, 農学部, 教授 (60170164)
大地 純平  山梨県森林総合研究所, 森林研究部, 研究員 (00536279)
キーワード国際情報交換 / ドイツ
研究概要

主な研究実績は下記の通りである。
(1) 山梨県において、狩猟免許の更新者に対しアンケート調査をおこない、山梨県の全狩猟者の44.6%をカバーするデータを収集した。この結果から、狩猟者の狩猟歴、免許取得動機、狩猟行動などを明らかにすることができた。近年の免許取得者(新規参入者)は、獣害対策が動機となっており、そのため「わな」免許のみの取得が増えている。また、ベテラン層がチームを組織して狩猟しているのに対し、新規参入者は単独狩猟行動の割合が高くなっている。したがって、新規参入者のネットワーク化が、安定した狩猟行動にとっても必要であることが示唆された。さらに、今後の狩猟継続の見通しについては、全体の約3分の1が5年間以内に、もう3分の1が次の5年間に、狩猟をやめるつもりであるということも明らかにした。その原因は、高齢化のほか、免許更新や鉄砲所持許可更新といった手続きの煩瑣さが大きく影響している。これらの対策を10年以内にたてる必要性も示唆された。なお、狩猟者の狩猟圏を地図上のメッシュ情報としても把握することに成功した。このデータについては解析中である。これらの研究成果を、林業経済学会2012年度秋季大会において口頭報告し、目下論文として取りまとめているところである。
(2) 山梨県早川町における新規狩猟者を育成するための取り組みについて、聞き取り調査を実施した。行政と個人狩猟者との契約締結による有害捕獲・管理捕獲を通じた、半専業的な狩猟者の可能性について、部分的に明らかにした。
(3) 狩猟の盛んなドイツにおいて、狩猟者育成のための教育体制がどのように整備されているか、聞き取り調査を実施した。具体的には、ミュンヘン大学、フライブルグ大学、ローテンブルク林業大学、バイエルン州立森林・営林研究機関、シュバルツバルトの森林管理署などにおいて資料収集をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

山梨県においてはアンケート調査を実施できたものの、そのデータ解析と、長野県でのアンケート調査の進捗がやや遅れている。これは、2011年に東日本大震災・原子力災害の影響で、アンケート調査が実施できなかったことによるものである(本来は長野県を先に調査し、山梨県をその次に調査する予定であったが、狩猟者人口が比較的少ない山梨県においてまず調査したほうが、長野県での調査が万全に進められると判断したため、順序を入れ替えた)。この遅れは、2013年度上半期内に回復できる見込みである。

今後の研究の推進方策

長野県において、今年度実施した山梨県におけるアンケート調査と同様の調査をおこない、解析したのち、両県のデータを比較する。また、その結果に基づき、両県において狩猟グループへの聞き取り調査を実施する。狩猟者育成の取り組み事例については、引き続き事例の聞き取り調査をすすめる。
海外の狩猟者育成策については情報収集が終了したので、この結果を論文として公表する。また、山梨県・長野県のアンケート調査および聞き取り調査についても、年度内には結果を公表する見込みである。

次年度の研究費の使用計画

長野県におけるアンケート調査の進捗がやや遅れていることによって、次年度使用額が発生している。これは、2013年度上半期においてアンケート調査を実施することによって使用する。その他の研究費に関しては、当初の計画通りに使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 山梨県における狩猟者の実態把握:アンケート調査に基づいて

    • 著者名/発表者名
      三木敦朗・大地純平・小池正雄
    • 学会等名
      林業経済学会2012年秋季大会
    • 発表場所
      東京農業大学

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公開日: 2014-07-24  

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