研究課題/領域番号 |
23580212
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
井上 みずき 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (80432342)
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研究分担者 |
藤 晋一 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (40315601)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ヤマノイモ / ヤマノイモえぞモザイクウイルス / ヤマノイモモザイクウイルス / 病原体=赤の女王モデル / クローナル植物 |
研究概要 |
温帯植物の約7割は有性繁殖と無性繁殖の両方の繁殖戦略を保持している。有性繁殖は無性繁殖に比べて2倍のコストがかかる。しかし、病原体や寄生者に対抗進化できるために無性繁殖と比べて有利であるという説(病原体=赤の女王モデル, Parasite Red Queen model; Hamilton 1990)が存在する。この説では稀な対立遺伝子を持つ植物個体ほど有利になるため、有性繁殖によって遺伝的変異が生み出される状況がウイルスに抵抗性のある状態となる。この説の信憑性は高いが野外集団における検証例は少ない。そこで、森林に自生するヤマノイモとヤマノイモえそモザイクウイルス(Chinese yam necrotic mosaic virus: CYNMV)、ならびにヤマノイモモザイクウイルス(Japanese yam mosaic virus: JYMV)を用いて、ヤマノイモの種子とムカゴを介したウイルスの感染拡大メカニズムを明らかにするとともに、ウイルスの感染の有無がヤマノイモ個体の適応度に与える影響を評価することにした。こうした研究は、生息地の劣化や個体群の縮小に伴い、無性繁殖のみで個体群が維持されている植物におけるウイルス感染拡大リスクの危険性を明らかにできる。本年度は、ヤマノイモの遺伝的多様性とウイルスの遺伝的多様性および感染率の集団間変異を明らかにする予定であったが、課題の主たる実行者が妊娠中であったため、調査地の選定は行なえたものの、野外調査が十分実施できなかった。そこで、葉へのウイルス感染を野外にて簡易に判定できる手法の確立を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
課題の主たる実行者が妊娠中のため、十分な野外調査が困難であった。また、実験についても産休に入ったため、予備実験以外、行なうことが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
課題の主たる実行者が妊娠中のため、十分な野外調査が困難であり、実験についても産休に入ったため、予備実験以外を行なうことが出来なかったが、今年度は育休中ではあるものの、野外調査をする予定であり、また後期は業務に完全に復帰するため、実験等も推進可能であり、予定よりもエフォートを割いて研究を行ないたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度行なえなかった野外調査を行なうための調査旅費、調査時のバイト雇用代に使用予定である。加えて、業務復帰後の実験を効率的に行なうための分析機器の購入、および実験消耗品の購入を行なう予定である。次年度の成果を日本生態学会で発表するための学会旅費などにも使用予定である。
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