リュウキュウマツの扁平な樹冠上部の葉は夏期にしおれ寸前の水分状態に達していた。これはこれ以上枝を伸ばすと葉への水供給が不足し枯れるため、樹冠上部が扁平になっていると考えられた。特に宮古島は土壌水分が不足しているため、マツに水不足が生じやすいことに加え、しばしば猛烈な台風が来襲する。その際、リュウキュウマツの枝が相互に擦れることで枝に傷ができ、その傷の影響は枝の木部内部にまで達していた。その箇所は水分通道機能が失われており、無傷な枝の水分通道能力の半分に低下し、葉への水供給量が不十分であった。このような状況で、葉の水分状態はしおれの限界を越えてシュートが枯れると考えられた。
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