模擬木を用いた樹冠遮断メカニズムの解明に関する研究

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23580216
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 森林科学
• 研究機関: 独立行政法人森林総合研究所
• 研究代表者: 村上 茂樹 独立行政法人森林総合研究所, 気象環境研究領域, 十日町試験地長 (80353879)
• 連携研究者: 鳥羽 妙 尚絅学院大学, 生活環境学科, 講師 (70437086)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 樹冠遮断 / 林分構造 / 飛沫蒸発 / 降雨中蒸発 / 間伐 / 模擬木 / クリスマスツリー

研究概要

模擬木（プラスチック製のクリスマスツリー、樹高65cm～240cm）を屋外のトレイに設置して降雨時の蒸発（樹冠遮断）を計測した。降雨に占める樹冠遮断の割合は1割強から約2割で、実際の森林と同程度となった。間伐を行うと樹冠遮断は減少するが、増加する場合もあることが分かった。降雨中、降雨一時休止中、降雨後の樹冠遮断を算出したところ、降雨中の樹冠遮断が大部分を占めていた。この結果は雨滴が樹冠に衝突して飛沫が蒸発するとの説を支持するものである。

研究成果

• [雑誌論文] Experimental study on canopy interception using artificial Christmas trees to evaluate evaporation during rainfall and the effects of tree height and thinning (2013)
  • 著者名/発表者名: Murakami, S., Toba, T.
  • 雑誌名: Hydrological Research Letters 巻: 7 ページ: 91-96
  • DOI: 10.3178/hrl.7.91
  • 査読あり
• [雑誌論文] 樹冠遮断のメカニズムと森林の増雨効果 (2012)
  • 著者名/発表者名: 村上茂樹
  • 雑誌名: 水利科学 巻: 324 ページ: 82-99
  • URL: http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/tkmcs/member/Papers/Murakami_2012_Water_Sci.pdf
  • 査読あり
• [学会発表] 飛沫蒸発説検証に向けた模擬木による樹冠遮断実験 (2014)
  • 著者名/発表者名: 村上茂樹・鳥羽妙
  • 学会等名: 第125回日本森林学会大会
  • 発表場所: 大宮ソニックシティ
  • 年月日: 2014-03-29
• [学会発表] 模擬木を用いた樹冠遮断実験-樹高と林分密度の影響- (2013)
  • 著者名/発表者名: 村上茂樹・鳥羽妙
  • 学会等名: 水文・水資源学会2013年度研究発表会
  • 発表場所: 神戸大学
  • 年月日: 2013-09-27
• [学会発表] Experimental study on determining factors of canopy interception using artificial Christmas trees (2013)
  • 著者名/発表者名: Murakami, S., Toba, T.
  • 学会等名: EGU General Assembly 2013
  • 発表場所: ウィーン
  • 年月日: 2013-04-08
• [学会発表] 模擬木を用いた樹冠遮断実験-序報- (2012)
  • 著者名/発表者名: 村上茂樹・鳥羽妙
  • 学会等名: 水文・水資源学会2012年度研究発表会
  • 発表場所: 広島市西区民文化センター
  • 年月日: 2012-09-26
• [備考] ①村 上茂樹・鳥 羽妙:森林総合研究所 研究最前線『プラスチックのクリスマスツリーで解明した森林からの水の蒸発』、2013年12月24日掲載
  • URL: http://www.ffpri.affrc.go.jp/research/saizensen/2013/20131224-02.html