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2012 年度 実施状況報告書

水みち上の樹木の特徴を用いた斜面崩壊発生場所の予測手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23580222
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

多田 泰之  独立行政法人森林総合研究所, 水土保全研究領域, 主任研究員 (40397518)

キーワード斜面崩壊
研究概要

本研究の目的は、斜面崩壊の原因となる水みちの位置を樹木の特徴を用いて特定し、広域における崩壊場所の予測精度を向上させる方法を開発することにある。この目的を達成するために,次の2つの課題を実施する予定である。①現地調査によって水みちの位置を明らかにし,水みち経路上とそれ以外の場所の樹木の成長量や葉の分光反射特性などの特徴の差異を明らかにする。そして,②空中写真等を用いて,①で明らかにした水みち経路上とそれ以外の場所の樹木の特徴を抽出し,広域における崩壊の発生する危険箇所を明らかにする。
研究2年目にあたる本年は,上記の2つの目的のうち①を行った。具体的には,崩壊が発生している山腹斜面において地下流水音探査によって水みちの位置を推定した。次に,推定した水みち経路上で,降雨に対して地下水の応答が良い場所と悪い場所を明らかにするために井戸を設置し,地下水観測を実施した。これらの結果から,降雨に対して地下水の応答が良い場所と悪い場所があることが明らかとなった。また,地下水の応答を検討している井戸周辺の11年生のヒノキの根元直径,樹高を測定した。加えて,約60年生のヒノキ切株も井戸周辺に多数存在することから,これらの切株より円盤を100枚採取し,ヒノキの成長量を分析した。結果として,ヒノキの根元直径,樹高は,降雨に対して地下水の応答が良い場所の方がよいことが明らかとなった。また,約60年生のヒノキ切株においても同様の結果が得られた。崩壊の生じやすい地下水の多い場所周辺では,ヒノキの成長がよいことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最も時間のかかる現地調査と樹木円盤の解析が2年目でほぼ終了しているため。

今後の研究の推進方策

空中写真等を用いて,現地で明らかにした水みち経路上とそれ以外の場所の樹木の特徴を抽出し,広域における崩壊の危険箇所発生するを明らかにする。
平成24年度の予算が約3000円程度残っているのを次年度に繰り越した。これは、無理に0円にせず、次年度空中写真判読等の研究実施のために有効に使うためである。

次年度の研究費の使用計画

現地調査・文献調査を実施するために旅費として使う。
地形判読を行うために空中写真等を購入する。

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公開日: 2014-07-24  

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