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2012 年度 実施状況報告書

波形単板を用いた新規な木質ハニカム構造体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23580224
研究機関筑波大学

研究代表者

小幡谷 英一  筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10312810)

研究分担者 山内 秀文  秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 准教授 (90279513)
キーワードlight weight panel / corrugated veneer / mechanical property
研究概要

初年度の研究により,波形に成形した単板が,圧縮強度の高いパネル用コア材料として有用であることが明らかとなった。本年度は,①より詳しい圧縮挙動の解析,②表板を複合した場合の曲げ剛性の推定,③波形単板コアパネルの音響特性の測定,④波形単板コアパネルを用いた家具の試作,について検討を行った。
①ハニカムタイプの波形単板は,パネル厚さ方向の強度が非常に高いため,圧縮強度の低い合板等を表板に用いた場合,単板が表板にめり込むような破壊が生じた。ハニカムタイプの波形単板をパネルのコアに用いる場合,表板には圧縮強度の高い材料を用いる必要がある。また,パネルの厚さ(ハニカム軸方向の長さ)が圧縮強度に影響しないことが明らかとなった。②初年度の研究で明らかとなった波形単板コアのせん断剛性率を用いて,表板を貼付したときの曲げ剛性を推定したところ,計算値と実測値が良く一致した。③波形単板コアを楽器響板用シトカスプルース材で挟んだサンドイッチパネルは,低密度,高音速,低損失であることから,音響変換効率の高い振動板に利用可能であることが示された。ただ,コアのせん断剛性率が無垢材に比して非常に低いことから,高音域での損失が大きく,こもった音色になることが予測された。楽器響板に用いるには,ある程度密度が大きく,剛性率の高いコアを採用する必要がある。④波形単板コアパネルを用いた家具を試作し,その性能を評価した。内部が中空であるため,パネルそのものの性能よりも,パネル同士の接合方法に工夫が必要であることが示唆された。
波形単板コアの機械的性質については,木質材料関連の国際学会(IUFRO2012)において発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

せん断剛性率等の力学性能から見て,段ボール型よりもハニカム型が合理的であることが明らかとなり,ハニカム型コアに焦点を絞って検討を行うことができたため。

今後の研究の推進方策

段ボールタイプよりもハニカムタイプの方が成形が容易で力学性能が高い。そこで今後はハニカムタイプの波形単板に焦点を絞って検討を行う。具体的には,比較的密度の高いハニカムコアと無垢の楽器響板材を組み合わせ,その音響特性を評価する。また,単板の連続成型法の一つとして,ロールプレスを用いて波状のシリコンベルトを金型に押し込む方法を検討する。

次年度の研究費の使用計画

ロールプレスを用いた連続成型治具を製作するための物品費として30万円,秋田県立大学木材高度加工研究所が現有するロールプレスを用いて試験を行うために,国内旅費として20万円,国際学会での成果発表のための国外旅費として20万円,波形単板の作製と物性試験の実験補助のために謝金として20万円,英語論文の投稿にかかる校正費および報告書印刷費として20万円を計上する。なお、次年度使用額(前年度からの繰越額)の189,253円については、秋田県立大学で実験を行うための国内旅費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Mechanical Properties of Corrugated Veneer-cored Panel2012

    • 著者名/発表者名
      Naho Shibanuma, Eiichi Obataya, Hidefumi Yamauchi
    • 学会等名
      2012 IUFRO Conference Division 5 Forest Products
    • 発表場所
      リスボン(ポルトガル)
    • 年月日
      20120708-20120713

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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