和歌山県東牟婁郡古座川町の被害材からアメリカカンザイシロアリの個体を採集し,マイクロサテライト解析を行った。集団全体での近交係数は0.5以上と高い値であり,近親交配の頻度が高いことが示された。また,遺伝子座あたりの対立遺伝子数が4よりも大きい部分集団もあり,近隣コロニーとの融合の可能性が示唆された。 ホウ酸化合物を経皮投与で10,000mg/kg投与しても全滅しない場合が観察され,グルーミングによる薬剤伝搬効果が低いものと推測された。また,経口投与した際には,死亡個体のホウ素含有量の約3倍のホウ素を摂取した個体が健全な状態で生息しており,ホウ素摂取量と殺虫活性に正の相関は認められなかった。
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