研究課題/領域番号 |
23580240
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研究機関 | 飛島建設株式会社技術研究所 |
研究代表者 |
沼田 淳紀 飛島建設株式会社技術研究所, -, 主席研究員 (10443649)
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研究分担者 |
久保 光 福井県雪対策・建設技術研究所, その他部局等, 研究員 (80470160)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 環境材料 / 地盤工学 / 地球温暖化ガス排出削減 / 木材 / 耐久性 |
研究概要 |
(1)各種土質による耐久性試験を実施するために土質と木片の準備を行った.砂礫から粘性土までの7種類の土質と,腐朽促進用の土を準備し,これらの物理的特性と透水性を求めた.次に,スギ材により木片を2,000個以上を作製し,これの写真撮影,寸法測定,質量測定を行った.(2)(1)の土質について,直径10cm長さ1mの塩ビ管内に模型地盤を作製し,ここに木片を10cmの深度毎に埋設した.このように作製した円柱供試体を幅2.5,奥行き1m,高さ1mの容器に入れて耐久性試験を開始した.この容器は,水位調整が可能で,年2回の周期で水位を30cm変化させられるようになっている.これを定期的に堀出し,土の保水高さと木片の腐朽程度について,各土質特性の影響を明らかにして行く予定である.(3)地下水位変動可能な大型土槽に設置されていた,直径8cm×長さ1mの3年経過後の丸太を堀出し調査を行った.この結果,常時地下水位以深である木材は極めて健全であること,地下水位変動域以浅であっても粘性土で覆われた木材は極めて健全であること,無処理や砂で覆われた木材は地下水位変動域上限以浅であるものは腐朽が認められ強度は大幅に低下すること,地下水位変動域では一例を除きかなり健全であり,地下水変動域上限以浅に比較しかなり腐朽の進行が遅いことが明らかになった.(4)足羽川で掘り出された旧木田橋橋脚基礎の杭丸太(スギ)の腐朽状況と地盤との関係を調査した.具体的には,地盤柱状図から杭が打設されていた場所は,N値10以下の軟弱層であることがわかった.杭は,約2~4m貫入されており,粘土層直下の砂質シルト層または砂層を支持地盤としたものと考えられる.掘り出した杭から試験片と取り出し,SEMを利用して観察した.その結果,若干腐朽した状況が観察された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画は,一部変更した. 円柱供試体の作製は,直径10cm長さが1mの塩ビ管に模型地盤を作製しながら木片を埋設するもので,作業が複雑で,かつ,数量が多かったので,計画および実施に5ヶ月を要したが,1月には完了した.他は,ほぼ計画通りである.
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今後の研究の推進方策 |
作製された円柱供試体について随時取り出し,木片の腐朽状況を調べる.また,過去に実施されていた供試体について堀り出し,この調査を行うとともに,現地より採取された木材の調査を継続的に実施する.
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度と同様に木片および採取木材の調査を継続的に実施し,地中における木材耐久性の設計法と腐朽に対する対策法を開発する.
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