研究課題
これまでに、フグのサイトカイン遺伝子の発現を網羅的に測定出来るMultiplex RT-PCR法を開発し、それを用いてモンゴル産の乳製品から分離したLactobacillus patacasei(strain 06TCa22)株と、L. plantaru (strain 06CC2)株のプロバイオティクス効果を明らかにした。本年度は、L. patacasei(06TCa22)株を、経口投与して、サイトカイン遺伝子の発現を調べることによって、そのプロバイオティクスの効果について検討を行った。(方法)、L. patacasei(06TCa22)株を、フグに3日間経口投与を行い、その後、腎臓白血球の貪食能とNBT産生能について検討を行った。さらに、Multiplex RT-PCR法を用いて16種類のサイトカイン遺伝子の発現について検討を行った。最後に、病原菌であるVibrio harveyに対する抵抗性の増加の有無についても検討を行った。(結果) 前炎症性サイトカインであるIL-1b, IL-6, IL-17A/F-3, TNF-a, TNF-N, 抗ウイルス性サイトカインであるタイプ1インターフェロンの上昇が、L. patacasei(06TCa22)株を投与したフグで確認された。腎臓白血球の貪食能とNBT産生能も、これらのサイトカインと同様に有意な差で上昇が見られた。さらに、V. harveyで攻撃したL. patacasei (06TCa22)株投与フグの腎臓、血液および脾臓で、有意に本菌の減少が確認された。これらの結果から、サイトカイン遺伝子を用いて魚類の自然免疫応答を測定することができると判断された。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
International Immunopharmacology
巻: 17 ページ: 358-365
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Fish and Shellfish Immunology
巻: 35 ページ: 756-765
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