海洋の真核微生物ラビリンチュラ類について,その現存量と種組成について把握するため,継続的なモニタリングを行った。細胞数の計測から,春から夏にかけて,1から2の急激な増減が観察され,ヤブレツボカビ・スパイクと名付けた。ラビリンチュラ類のバイオマスは,バクテリアの1.59%だが,栄養段階を経るごとにエネルギーは10%となるため,バクテリアに比べて,段階が少ないラビリンチュラは,高次捕食者への影響は15.9%になることが考えられ,無視できるものではないと考えられた。また,種組成の季節的消長(遷移)が繰り返し観察され,環境要因によって,棲み分けをしていることが示唆された。
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