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2012 年度 実施状況報告書

レーザー誘起蛍光法による海苔養殖管理技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23580271
研究機関木更津工業高等専門学校

研究代表者

岡本 保  木更津工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (80233378)

キーワード海苔 / スサビノリ / 蛍光計測 / 蛍光寿命
研究概要

これまでの蛍光寿命測定では励起光源にLEDを用いて蛍光寿命の測定を行なってきた。しかしパルス幅が数nsと大きく0.1ns程度の蛍光寿命を精度よく測定することができなかった。そこで今年度は励起光源にパルスレーザを用いて時間分解能の高い蛍光寿命測定を行った。蛍光寿命測定には浜松ホトニクス製の小型蛍光寿命測定装置(Quantaurus-Tau)を使用した。励起光の波長はスサビノリの生育診断に適している励起波長であるフィコエリスリンの吸収ピーク波長付近の470nmの励起光を用いて蛍光寿命測定を行った。測定した蛍光の波長はフィコエリスリンに起因すると思われる蛍光波長の580 nm、アロフィコシアニンに起因すると思われる蛍光波長の660 nm、クロロフィルaに起因すると思われる蛍光波長の685 nm、720 nmとした。試料には、平成24年12月に新富津漁業協同組合で養殖したスサビノリを用いた。測定した蛍光減衰曲線より、2成分であると仮定してフィッティングを行い、デコンボリューション処理を行うことにより蛍光寿命を導いた。正常なスサビノリの平均寿命は580 nmの蛍光ピークの場合で0.12 ns~0.19 ns、660 nmの蛍光ピークの場合で0.15 ns~0.17 ns、685 nmの蛍光ピークの場合で0.21 ns ~0.22 ns、720 nmの蛍光ピークの場合で0.12 ns~0.13 nsとなった。このようにパルスレーザを励起光源に用いることで精度よく蛍光寿命を求めることができるようになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、主として蛍光寿命測定を試みた。その結果、各色素の蛍光寿命が明らかになってきた。各色素の蛍光寿命は各色素間でのエネルギー移行に関連していると考えられるため、蛍光寿命は病害などのストレスの影響に対してより敏感に変化すると考えられる。そのため、スサビノリの養殖管理技術として非常に有効な方法と考えられる。昨年度まで問題であった、蛍光寿命測定の時間分解能をパルスレーザを用いることにより解決した。そのため、次年度に蛍光寿命とストレス関係を明らかにする準備が整ったと考えている。

今後の研究の推進方策

今年度確立した蛍光寿命測定を用いて、栄養欠乏の影響、病害などのストレスにより蛍光寿命がどのように変化していくかを検討する。さらに、色素定量の技術を確立し、色素量と蛍光スペクトルの関係を明らかにしていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、色素定量技術を行うために、ホモジナイザーを購入する予定である。また、蛍光寿命測定の高精度化のために、固体試料測定用サンプル室を購入する予定である。
次年度は信州大学斉藤教授のグループと連携して研究を進める予定である。そのため、成果報告のための学会出張の他に、研究打合せのための出張を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] スサビノリにおける色素定量分析2012

    • 著者名/発表者名
      平野朝陽,大浦理寛,向後友貴,鶴岡準也,岡本保,高橋邦夫
    • 学会等名
      2012年(第8回)電気学会東京支部千葉支所研究発表会
    • 発表場所
      日本大学八海山セミナーハウス
    • 年月日
      20121124-20121125
  • [学会発表] 蛍光寿命を用いたスサビノリの生育診断への可能性2012

    • 著者名/発表者名
      平野朝陽,向後友貴,鶴岡準也,大浦理寛,大野(嘉数)祐子,岡本保,高橋邦夫,林俊裕,島田裕至
    • 学会等名
      平成24年度(第45回)照明学会全国大会
    • 発表場所
      山口大学吉田キャンパス
    • 年月日
      20120906-20120908

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公開日: 2014-07-24  

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