• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

ポリフェノールによる麻痺性貝毒の分解機構

研究課題

研究課題/領域番号 23580284
研究機関北里大学

研究代表者

佐藤 繁  北里大学, 水産学部, 准教授 (20170748)

キーワード麻痺性貝毒 / ネオサキシトキシン / デカルバモイルサキシトキシン / ポリフェノール / 没食子酸 / 茶カテキン / 分解
研究概要

種々のポリフェノール標品、すなわち茶カテキン、プロトカテク酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、没食子酸プロピル、p-ヒドロキシ安息香酸をそれぞれ10mM含む中性リン酸緩衝液中にネオサキシトキシン(neoSTX)またはデカルバモイルサキシトキシン(dcSTX)を10μMとなるように添加して、37℃で30分間インキュベートし、毒濃度の経時変化を調べた。これら11位還元型の麻痺性貝毒成分を酸化分解する活性は、茶カテキン、没食子酸ならびに没食子酸プロピルが最も高く、プロトカテク酸や2,5-ジヒドロキシ安息香酸がこれに次ぎ、2,4-、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸およp-ヒドロキシ安息香酸には活性がほとんど確認できなかった。以上の結果からベンゼン環上に複数のヒドロキシル基がオルトもしくはパラ位に配置する成分が上記毒成分を消去する能力を持つと考えられた。
没食子酸を含む水溶液中でdcSTXの分解活性のpH依存性を調べたところ、中性水溶液中で活性が確認されたのに対して、pH5以下の弱酸性条件下ではdcSTXの分解は確認されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度、ポリフェノールが11位に硫酸エステルを持たないデカルバモイルサキシトキシンなどの麻痺性貝毒成分を、過酸化水素等の強酸化剤と同様に酸化分解し無害化すると、この反応が中性の温和な条件下で進行することを確認した。これに加え今年度は、種々のポリフェノール標品を用いて毒の分解活性と、ポリフェノールの構造の関係を検討した。以上から、交付申請書に記載した研究の目的は達成しつつあると判断した。

今後の研究の推進方策

既にリンゴや茶、ブドウ等の抽出液が毒を効率よく消去することを確認している。25年度は、貝を加工する際に、ポリフェノールを含む植物抽出液を用いて、毒を効率よく除去できる条件の検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi