赤ワインや茶などの植物抽出液中に含まれる没食子酸などの種々のポリフェノール(PPs)が、11位還元型の麻痺性貝毒成分を消失させることを確認した。毒は塩基性条件下で強酸化剤により分解され無毒のプリン化合物を与えるが、中性付近でPPsが作用することで、同じプリン化合物が得られることを確認した。中性リン酸水溶液にPPsを添加すると、+300mV付近にあった酸化還元電位が低下するが、インキュベーションにより分解する毒量は顕著に増加した。以上から、酸化型PPsが毒の分解を引き起こす本体であること、すなわちPPsは溶存酸素による毒の分解反応において、効率の良い触媒として機能していることが明らかとなった。
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