北海道酪農地帯における「第三者継承」の実態分析を行った。事例は道北・美深町に所在する「R&Rおんねない」であり、2003年に後継者不在の酪農家により設立された継承支援組織である。移譲者候補として10名の農業者が参加したが、2016年時点で4件の実績を生み出しており、2017年に継承予定のケースを合わせると5件である。事例組織が確立した継承の方式は、①年齢の高い順に、順次、継承者となる、②研修期間は2年とし、1年目は全メンバーでの「巡回研修」、2年目は移譲者での「併走研修」、③就農時に「農場リース事業」等の補助事業を活用し、初期投資負担の軽減を図る、というものであり、その有効性は確認された。
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