大槻、ホジソン、センなどの分析概念を組み合わせるかたちで、「制度派農業組織経営学」の分析枠組みを導出し、下記を解明することができた。 ルカニ村における2つの農業経営部門の内の「女性産物」(バナナ、牛乳など)と、「相互扶助システム」が下支えすることで、ルカニ村民は絶対的貧困に陥らずにすんでいる。また「男性産物」コーヒーのフェア・トレード(最低輸出価格保障+還元金支払)で、生産者価格の引き上げや中学校・図書館の建設が実現していることが確認された。 しかしルカニ村民がめざす「すべての子供の中学校勉学」については、その実現に必要な多種多様なケイパビリティを十分保障できないという限界も明示できた。
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