研究課題
基盤研究(C)
インドネシア政府が公表してきた所得格差は1999年以降拡大を続けていて、2013年時点でもまだ改善の兆しは見えていない。しかし、州別に実質農業賃金率、労働の限界生産力、貧困世帯の割合の3指標を総合して観察すれば、労働過剰から労働不足経済への転換点を通過した州としてバリが浮上し、そこでは所得格差が改善している。さらに労働分配率を見ると、2008年頃を境に上昇に転じた。この上昇は、所得格差を押し下げる方向に作用する。こうした分析結果から、経済発展の初期では所得格差が拡大し、経済発展が進展し、労働過剰から労働不足への転換点を通過すれば、所得格差が縮小するという仮説が検証された。
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Singapore economic Review
巻: Vol. 59, No. 1 ページ: 70-84
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