研究課題/領域番号 |
23580308
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研究機関 | 旭川大学 |
研究代表者 |
近藤 功庸 旭川大学, 経済学部, 教授 (20305874)
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研究分担者 |
山本 康貴 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90191452)
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キーワード | 農業生産性 / 韓国 / 地域別貢献度分析 / 規模の経済性 |
研究概要 |
本研究の主要な分析目的は、アジアの先進国である日本と韓国において、農業生産性を計量経済学的に分析することを通じ、農業生産性の向上と食料自給率の向上との関係を考察して行くことにある。平成24年度は、以下の研究活動を実施した。 1.農業生産性分析に関する研究動向のサーベイ:平成24年度も研究課題に関連する内外の学術論文や文献資料等について、電子ジャーナルも利用して、研究動向をサーベイした。さらに、平成24年8月に、ブラジルで開催された国際生産性学会に出席して、生産性の理論と分析手法および農業生産性の実証分析結果などに関する最新の研究動向をサーベイした。こうしてサーベイした結果を、次に述べる農業生産性分析に関するデータベースの構築および生産性分析の学会発表などに反映させた。 2.農業生産性分析に関するデータベースの構築:平成24年8月に韓国の大学や研究機関を訪問して、前年度収集できなかった年次の白菜など農産物の生産費データを入手し、データベースの構築に取り組んだ。 3.農業生産性に関する学会報告:平成24年8月にブラジル(ナタール)で開催された国際生産性学会において、1995年以前の日本稲作を事例とした生産性変化を2つの要因(生産性成長要因と生産シェア要因)に分解して解明した研究成果を発表した。平成24年10月には、大阪経済大学(大阪府大阪市)で開催された地域農林経済学会において、韓国の稲作を分析対象に、循環性(どの地域を基準として生産性を計測しても、地域間における生産性の大小関係が不変であること)を有する生産性指数を適用した分析結果を発表し、その成果を同学会誌である『農林業問題研究』へ投稿した。平成25年2月には、オーストラリア(シドニー)で開催されたオーストラリア農業・資源経済学会において、韓国稲作生産性の地域別貢献度を解明した研究成果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の研究は、当初の研究計画に沿って、おおむね順調に進展した。具体的には、第一に、韓国の白菜などに関する生産費データの収集をさらに進めることができた。第二に、収集した生産費データを使ってデータベースが着実に構築できた。第三に、生産費の時系列データにおいてデータの定義を検討した上で、農産物の需給動向やその見通しに関する資料など、韓国における農業生産性と食料自給率の関連性に対する分析結果の考察に資する資料の収集を進めることができた。さらに、近年における日本の稲作生産性を分析すべく、これに関するデータベースの構築にも着手できた。研究成果についても、韓国稲作生産性の分析結果を国内外の学会で発表できた。
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今後の研究の推進方策 |
1年目である平成23年度は韓国の白菜などの生産費データのほか、価格指数データなどを収集し、データベースの構築に着手できた。 2年目である平成24年度は、前年度に未収集であった韓国の生産費データの入手に引き続き努め、新たに日本の1996年以降の米生産費データベースの構築にも着手できた。 平成25年度は、韓国の白菜などの生産費データベースを構築し、このデータベースを用いた農業生産性分析に着手する予定である。併せて、韓国の農業生産性に対する経済収束分析にも着手して、生産性の地域間格差が縮小するか否かの解明を試みると同時に、農業生産性の向上と食料自給率の向上との関係について考察・検討して行く予定である。 また、日本の農業生産性に関しては、近年(1996年以降)の米生産費データベースを構築し、このデータベースを用いて、近年の日本における稲作生産性の分析も実施する計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
3年目の平成25年度における研究費の使用計画は、以下の通り、主として国内外の旅費、物品費、その他などに支出される計画となっている。 1.旅費:国内学会ならびに国際学会で研究成果を発表するための旅費への支出、また最新の研究動向や資料収集などのための旅費への支出を計画している。 2.物品費:物品費として、生産性分析に関する研究資料の入手、生産性分析に必要とされる消耗品など(プリンターのインクタンクやカラートナー、カットシート、収納ファイル等)への支出を計画している。 3.その他:その他の費目として、英文原稿のネイティブ・スピーカーによる英文校閲費への支出、国内学会や海外学会における会議参加費などへの支出を計画している。
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