平成25年度は、最終年度ということもあり、平成23年度と平成24年度の調査結果をまとめた。 まず、平成25年度は、フルーツパークと比較するために石川県森林公園の利用者特性分析を論文にまとめた。同公園は,地元住民の用途に応じて,施設が利用できるように工夫され,森林セラピーやMISIAの森プロジェクトといったエコプロジェクトを評価する者の満足度は極めて高かった。特に同公園に再訪問する来客は,エコプロジェクトを高く評価していることも明らかにされた。 次に、沖縄県名護市のパイナップルパークを事例として、都市農村交流に関する消費者評価を実施した。東日本大震災後に減少した観光客数に歯止めをかけ、北部地域の自然や農業を活かした農村ツーリズムを推進するための観光調査を、同パークで実施した。その結果、同パークへ訪問者は、大多数が県外者なのであるが、一般的に年配で所得が高く、初めて訪問していた。ただし、同パークへ訪問する者の休日日数は十分ではなかった。今後、同パークは休日日数の少ない県外客が訪問しやすい施設作りをする必要があった。 そして、沖縄県名護市の美ら海水族館と名護パイナップルパークを事例とし、訪問した台湾人、香港人、中国人を対象とした対面調査を実施した上で、その顧客特性を考察した。その結果、外国人観光客は学歴も所得も高い、若い富裕層であった。しかも、沖縄で出費する金額は、日本人の2倍程度あった。そして、95%近い外国人観光客が沖縄へ再訪問したいと答えていた。再訪問する客層は、学歴が高く、ホテルランクも高い富裕層であった。ただし、沖縄観光では、台湾人の評価が低いため、台湾人客から評価される観光産業を構築する必要があった。
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