研究課題/領域番号 |
23580320
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
徳永 光俊 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (30180136)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 動態的風土均衡論 / 日本農学原論 / 日本農法史 |
研究概要 |
本年は、既存研究の文献収集と整理を行った。とくに日本哲学や宗教、芸術などと農業・農学との関係について、検討した。また、3.11をめぐって、これからの地域農業をどのように復興するのか、農学や哲学を中心とした文献収集と整理を行うとともに、中島紀一茨城大学名誉教授とメールでの意見交換を何度もしながら、2012年2月に直接会って研究交流をした。福島県への現地調査を含め、今後とも継続的に研究交流をしていくことを確認した。 研究会では、私が主宰する関西農業史研究会で月に一度の定期的な研究会を行い、農業史研究者と研究交流を行っているが、2012年3月10日に「動態的風土均衡論としての『合わせ』の日本農法―江戸農書より―」を報告した。また共同主宰するプロジェクトいのちでは、2か月に一度の研究会を行っているが、とくに西田哲学を発展させている鈴木亨博士との研究交流は大いに参考となった。 農家などとの交流では、奈良県のトマト農家である堀内金義氏とやまと農談会を行っており、現場の農家と意見交換を継続してきた。2012年3月末に九州大学で開かれた日本農業経済学会に出席した際、自然と農の研究所の代表であり『百姓学宣言』(農文協 2011)の著者である宇根豊氏と福岡で、日本農学について意見交換をし、大変有益であった。 本年度の成果については、水本邦彦編『環境の日本史 第4巻』に「江戸農書に見る自然と人間」(仮)を執筆した。2012年度中に刊行される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関西農業史研究会、プロジェクトいのちの二つの研究会で日常的に意見交換、研究交流が出来た。 現場の農家との交流は遠隔地へは行けなかったが、奈良県に頻繁に出かけ、福岡県の宇根豊氏と日本農学のあり方について率直な意見交換ができたのは良かった。 関西農業史研究会で研究報告を行い、その内容を論文として執筆できたのは、評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
文献収集と研究整理は引き続き行うが、とくに西田幾多郎や鈴木亨らの日本哲学との関係を重点的に検討する。 3.11以降の東北地方の農業の復興に関して、東北の農家との交流を行う。また、中島紀一茨城大学名誉教授の案内を受けて、放射能汚染の被害を受けている福島県にも出かけ、復興について語り合いたい。 以上の研究成果について、関西農業史研究会で研究報告するとともに、『大阪経大論集』に論文として執筆する。
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次年度の研究費の使用計画 |
文献取集に関して、物品費として支出する。 本年はとくに、福島県を含め東北地方への現地調査を行うので、旅費として支出する。その際、調査者への謝金などを支出する。
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