江戸農書によれば、自然を人力で変えようとする人工的側面が強まった。しかし、土地相応、時節相応など「相応」と表現される合わせ、風土との均衡を図る動態的風土均衡の原理が働いていた。まわし(循環)・ならし(平準)・合わせ(和合)が日本農法の3原理であり、江戸時代から戦前期までは結果としてこの3原理が働いていた。 1960年代からの高度経済成長はこの3原理を歪め、合わさず(対立)・まわさず(効率)・ならさず(競争)の人工農法へと変質させていった。現在の自然農法や有機農業は、反・人工農法と位置づけられる。21世紀前半には、3つの原理を意識的に追求する農法革命により天然農法が実現されていくであろう。
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