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2012 年度 実施状況報告書

南北アメリカ食肉市場の構造変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23580323
研究機関農林水産省農林水産政策研究所

研究代表者

清水 純一  農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (70356294)

研究分担者 大江 徹男  明治大学, 農学部, 教授 (60409498)
キーワード農産物貿易 / 食肉パッカー / アメリカ / ブラジル / 飼料穀物
研究概要

ブラジルに関しては、前年度のJBS社(牛肉加工世界最大手)に続き、世界最大の鶏肉加工業者であるBrasil Foodsの国際展開に着目し、同社の財務データを分析するとともに日本法人を訪問し、データを収集した。ブラジル国内では鶏肉消費が増加しており、牛肉を上回るようになっている。ブラジルの肉牛はグラスフェッドであるが、養鶏の飼料はトウモロコシが主体である。このブラジル国内の食肉消費の変化は同社の企業拡大にとってメリットである。しかし、同時に日本にとっては、ブラジルの飼料用トウモロコシと鶏肉の双方の輸出余力が減少する可能性があり、日本の食料安全保障に多大な影響を及ぼす可能性があることがわかった。
米国に関しては、前年度に引き続き、食肉関連の統計・データの整理、分析を実施した。米国の貿易データを利用して、米国の農産物貿易全般の近年の傾向とそのなかにおける食肉貿易の全体的な傾向や特徴について整理、検討した。また、企業の具体的な事業展開や戦略については、企業の事業展開に詳しい専門誌の情報を入手して公的資料やデータを補完した。その過程で、ブロイラーをはじめ、豚肉部門においても近年垂直的統合が急速に進展していることが確認した。その事業展開、とりわけブラジル系企業の米国内における積極的な企業買収によって、と畜・加工業者であるパッカー業界の構造は大きく変貌している。そのような変化について、各パッカーに関して企業研究を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ブラジルにおいて予定していた企業実態調査は実施できなかったが、補完的に日本法人を通じて資料収集・分析を行った。
米国についても現地調査を実施することはできなかったが、業界紙や専門誌を通じて企業の事業展開やM&Aの動向、と畜・加工業界の全体像を把握することができた。また、農務省の膨大な貿易データを分析することにより、アメリカの食肉貿易の構造を明らかにすることができた。このような分析結果は、当研究の目的とする多角的な食肉貿易構造の解明に寄与するものである。

今後の研究の推進方策

25年度は前年度に実施できなかったブラジルにおける食肉企業の実態調査を行う。そのうえで、これまでの分析結果を総合的に組み立てる。米国の食肉貿易構造の分析結果とブラジルの食肉貿易構造の分析結果を突き合わせて、国際的な食肉貿易の構造を明示する。また、ブラジル企業の米国における事業展開とブラジル本国における事業展開を組み合わせて、近年事業拡大が著しいブラジル企業の事業展開の全体像を解明する。そのうえで、食肉事業をグローバルに展開するパッカー(食肉企業)の近年の南北アメリカ食肉市場における事業展開の特徴を明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

前年度積み残したブラジル現地調査(2名)の要する旅費が110万。これに伴い必要となる「ポルトガル語-日本語」通訳費として人件費・謝金から25万円。残額は最終年度であるため、3年間の研究を取りまとめた報告書の印刷と研究成果報告会の開催に要する費用にあてる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 先進国における農業の工業化とアグリビジネスの拡大に関する国際比較研究2012

    • 著者名/発表者名
      大江徹男・石月良訓
    • 雑誌名

      明治大学社会科学研究所紀要

      巻: 第50巻 ページ: 91-140

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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