研究課題/領域番号 |
23580329
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
石黒 覚 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (30137244)
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キーワード | 遮熱性舗装 / 路面温度 / リサイクル材 |
研究概要 |
初年度に利用した地域のリサイクル資源(かき殻、ホタテ貝殻、サンゴ砂など)に加えて、本年度は、かわら破砕材、陶磁器破砕材、ガラスカレットなどの廃棄物を活用し、これらを使用したモルタルを開粒度アスファルトの表面から充填した遮熱性舗装について、大学内に試験舗装を施工し、夏季の路面温度低減効果を調べた。また、これらの試験舗装において滑り抵抗性試験も実施した。この結果、これらの材料を使用した遮熱性舗装は、かき殻、ホタテ貝殻、サンゴ砂などを用いた場合と同様に、アスファルト舗装に比較して夏季の路面最高温度を大きく低減できることがわかった。この効果は、かき殻などを細骨材としたモルタルを充填した場合、舗装の表面色が明るくなることにより日射反射率が増加するためと考えられる。また、舗装の滑り抵抗性も十分有していることが確認できた。これらの研究成果は、平成24年7月に開催されたコンクリート工学年次大会において「充填モルタルによるアスファルト舗装路面の温度制御」と題して発表した。また、平成24年11月に開催された農業農村工学会京都支部研究発表会において「地域のリサイクル材を活用した遮熱性舗装の温度低減効果」として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遮熱性舗装の試験舗装を初年度に施工し、次年度においては、初年度に施工した試験舗装の温度計測を実施し、遮熱性舗装の経年効果を調べるとともに、新しいリサイクル材を活用した遮熱性舗装区間を設けてその効果を調べた。 初年度の研究成果は、平成23年11月21,22日に三重県津市で開催された国際会議(GEOMAT2011)において、「Heat Controlof Pavement Surface Temperature Using Oyster Shell Lime」の題目で報告した。また、平成24年7月に広島市で開催されたコンクリート工学年次大会において(題目:充填モルタルによるアスファルト舗装路面の温度制御)を発表し、これがコンクリート工学年次論文集に掲載された。また、新しいリサイクル材を活用した遮熱性舗装の研究成果は、平成24年11月に開催された農業農村工学会京都支部研究発表会において「地域のリサイクル材を活用した遮熱性舗装の温度低減効果」として発表した。これまでの研究は概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間3年間の最終年度においては、地域のリサイクル資源(かき殻、ホタテ貝殻、サンゴ砂、ガラスカレット、陶磁器破砕材、かわら破砕材など)を活用した遮熱性舗装について、これまでの2年間の研究成果をまとめる。これまで、夏季の路面温度低減効果を調べた結果、これらの材料を使用した遮熱性舗装は、アスファルト舗装に比較して夏季の路面最高温度を8-10℃低減できることがわかった。この効果は、モルタルを充填した場合、舗装の表面色が明るくなることにより日射反射率が増加するためと考えられる。これらの研究成果は、平成25年8月20‐23日に京都市で開催される国際会議(International Conference on Sustainable Construction Materials & Technologies: SCMT3)において「Heat Control of Pavement Surface Temperature Using Recycled Materials」と題して発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
最終年度の研究費として30万円が利用できる。陶磁器破砕材、ガラスカレット、かわら破砕材を細骨材として利用した遮熱性舗装の研究成果の研究発表などに主に利用する。予算内訳として、物品費5万円、旅費15万円、人件費・謝金5万円、その他5万円を申請した。
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