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2011 年度 実施状況報告書

数値天気予報と作物の成長モデルを活用した灌漑水量の決定

研究課題

研究課題/領域番号 23580335
研究機関鳥取大学

研究代表者

藤巻 晴行  鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (90323253)

研究分担者 齊藤 忠臣  鳥取大学, 農学部, 講師 (70515824)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード灌漑
研究概要

17m×110mの圃場に大豆を播種した。自動灌漑区とシミュレーション灌漑区を設け、シミュレーション灌漑区の中央に位置するウェイイングライシメータで蒸発散速度を測定した。また、可能蒸散量測定用カラムと風速計を設置した。灌漑には散布直径11mのスプリンクラーを用いた。各区の深さ1, 5, 10, 20, 40, 70cmにTDRと熱電対を埋設し、水分と地温の自動測定を行った。自動灌漑区では、深さ10cmのTDR2本から出力される体積含水率の平均値が0.047を下回った際に、電磁弁を用いて1時間(5mm)灌漑させた。シミュレーション灌漑区では、土壌水分移動解析プログラムWASH_1Dにより土壌中の水分分布や蒸発散量を予測し、それらの値から純収入が最大になるように灌水量を決定し、2日に一回灌漑を行った。初期生育期間中はシミュレーション区でも自動灌漑区と同量潅水し、発芽後40日後にシミュレーション灌漑を開始させた。その結果、自動灌漑区に比べシミュレーション灌漑区の収入は5割以下、純収入で4割以下となった。仮にシミュレーション灌漑区の子実/地上部乾物重比率が、自動灌漑区と同じであったと仮定した場合には、シミュレーション灌漑区の方が収入がやや少ないが、総灌水量が少なかったため、支出がわずかに低く抑えられ、純収入がほとんど変わらない結果となった。シミュレーション灌漑区の子実/地上部乾物重比が小さかった理由は、生殖成長期においてシミュレーション灌漑区での潅水量もしくはタイミングに問題があったためと考えられる。数値解はセンサーによる実測値に概ね一致させることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験計画に記載した実験を概ねその通り行なえたものの、結果は残念ながら、数値天気予報と作物の成長モデルを活用した灌漑水量の決定法(以下、「純収入最大化灌漑」)の優位性を示すには至らなかった。

今後の研究の推進方策

点滴灌漑を対象とした純収入最大化灌漑方法の効果検証実験をチュニジア国で昨年11月より行っている。鳥取大学乾燥地研究センターの砂丘圃場においても、大豆の反復は連作障害の危険があることから、点滴灌漑よるトウモロコシ栽培を対象に効果検証実験を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度は担当する学生が積極的に多くの作業を担ったことから、除草作業の委託が1回で済み、人件費・謝金をほとんど必要としなかった。また、研究分担者の齊藤講師が、既に保有している機材で研究を遂行できたことから新規の機材購入を必要としなかった。平成24年度は、担当する学生が居ないことから、除草作業の委託経費や短期雇用に多くを支出する必要がある。また、フィルタ、液肥混入装置などの点滴灌漑関連施設費用も多額に及ぶ。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 2次元土壌水分溶質移動数値解析ソフトウェアWASH_2Dのサイト

    • URL

      http://www.alrc.tottori-u.ac.jp/fujimaki/download/WASH_2D

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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