研究課題/領域番号 |
23580340
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
小出水 規行 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・資源循環工学研究領域, 主任研究員 (60301222)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | DNA / 遺伝的多様性 / 農村生態系 |
研究概要 |
当研究課題では、遺伝的多様性をはかるために汎用されているマイクロサテライトDNAマーカー(MS)の単離手法の開発に焦点を当て、魚類や昆虫類等の様々な生物種に適用できる効率的な手法の開発に取り組む。平成23年度は既存の単離手法についてレビューを行い、効率的な手法の工程を構築した。これらについての主な実績は次のとおりである。1.既存手法のレビュー:近年考案された手法(PCR isolation of microsatellite arrays、Anchored primer PCR、Primer extension等)について、それぞれの単離工程を整理した。従来法(対象生物種のDNA断片を大腸菌に組み込み、これを培養したコロニーからMS入り断片をもつコロニーをプローブ検出する)との比較により、各手法には検体のオリジナルDNAの増幅処理、大腸菌に組み込むMS入り断片の濃縮処理が含まれている等の特徴を抽出した。2.単離工程の構築:次の工程を構築した:(1)DNA抽出→(2)DNA断片の作成→(3)MS入りDNA断片の回収とPCR増幅→(4)大腸菌DNAへのPCR増幅産物の組み込みと培養→(5)大腸菌コロニーからのPCR増幅産物(MS入りDNA断片)の塩基配列の決定。これらの工程については、数個体の混合DNAの利用により、当初、必要であったオリジナルDNAの増幅処理を省き((1))、磁気ビーズ法を利用し、大腸菌DNAへの組み込みと培養作業を削除し((4))、ダイレクトシーケンス法によって、大腸菌からのDNA抽出処理を省略する((5))等の特徴をもたらすことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の当初計画は,既存の単離手法のレビューを行い、効率的な単離手法の工程を構築することである。研究実績の概要に記したように、その内容は計画がおおむね順調に進展していることを表している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、23年度に構築した工程に基づいて手法開発を行う.前処理の必要性や簡便な代替法の可能性を検討しながら、各工程における操作手順を確認する。また、開発手法を適用するための生物種の選定、個体採捕等の計画も開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は、交付申請時の計画どおり使用する。
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