研究課題/領域番号 |
23580344
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 庸 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (00323486)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 地球観測 / リモートセンシング / 地理情報システム / 植物季節 / 温暖化影響 |
研究概要 |
本研究課題では常緑針葉樹の植物季節に着目し,春季から秋季の生長期間における繁茂期・最盛期・衰退期の情報を抽出するための方法を考える。植生が時系列で示す変化を捉えるためには,定期的に観測されたデータが必要となる。そこで,衛星リモートセンシングのMODISデータを利用した。MODISデータの可視・近赤外域の反射率データの空間分解能は500mであるため,常緑針葉樹が広域でまとまって分布する地域を研究対象地域とする必要がある。そこで,植生図のGISデータと2008年~2010年におけるMODISデータを利用して,北海道・大雪山国立公園の東部地域と関東山地における栃木県・鹿沼市近郊の植林地を研究対象地域として選定した。そして対象地域におけるMODISデータ(3年分・138画像)の画像データベースを構築した。次に植物季節の情報を抽出するため,MODISデータ中の対象地域において,バンド間演算によって植生指標(正規化植生指数,Normalized Difference Vegetation Index, NDVI)の画像を作成し,対象年次中における植生指標画像の時系列および空間的な変化の状況を調べた。その結果,対象地域内の植生指標(NDVI)の数値から,対象とした画像中のピクセルが常緑樹のみではなく,落葉樹が混在しているピクセルが多く存在すると考えられた。そこで,MODISデータ中のピクセルのうち,常緑樹が特に優占するピクセルを更に選定するため,可視・近赤外域の波長帯においてMODISデータよりも高い空間分解能(10m)を持つALOS- AVNIR-2センサのデータを取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究において,植生GISデータや衛星リモートセンシングデータのMODISデータを利用して,2カ所の研究対象地域を選定した。それらの地域における画像データベースを作成し,多年次における植生指標画像の時系列・空間的変化から,常緑針葉樹の植物季節の変化の解析を行った。したがって,概ね順調に研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
MODIS画像において,対象とするピクセルを更に選定するため,空間分解能の高いALOSデータを利用し,ピクセル中の植生の情報を取得する。MODIS画像から作成した植生指標画像において常緑針葉樹が優占するピクセルを選定した後,ピクセル単位もしくはピクセル群の植生指標の時系列データに関数式をあてはめる。関数式として,指数関数やロジスティック関数などを使用し,植生指標の変化(上昇・下降)する時期を関数式のパラメータから導出し,対象とする植物季節の情報を抽出する。そして対象地域における常緑針葉樹の生長期間の繁茂期,最盛期,衰退期の3時期の時間的変化の傾向を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の使用計画として,植生指標画像から取得した時系列データを解析するためのプログラミングソフトウェアの購入を予定している。また,MODISデータ中のピクセルを選定するため,ALOSデータを使用して植生の状態を解析するが,そのための現地調査を行う予定であり,その他,成果発表のための学会参加および論文の投稿のため,研究費の利用を予定している。
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