研究課題/領域番号 |
23580345
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
長谷川 英夫 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80292514)
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研究分担者 |
粟生田 忠雄 新潟大学, 自然科学系, 助教 (10282998)
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キーワード | 農業環境・情報工学 / 産業・技術教育 / 生物育成・飼育 / 情報システム / 計測・制御 |
研究概要 |
本研究課題は農業環境工学―産業・技術教育の融合によって,科学技術に対する意識の涵養を担う中学校技術科教育に必要な生物育成・飼育と情報を網羅した従来類のない新規の学習システムの開発を目的としている。具体的には,以下の4段階からなる研究を相互に密接に関連させて実施することで,実用レベルの成果を得ることを目標としている。(1)生物育成・飼育に係る環境情報・画像データを自動計測する学習システムの研究開発,(2)自律ロボットを題材とした情報プログラム学習の研究開発,(3)上記(1)から(2)を産業・技術教育の現場で検証し,必要に応じて(1),(2)にフィードバックして完成度を高める。(4)中学校技術科教育における栽培―マルチメディア―計測・制御に適用する新しい学習システムを完成させる。平成25年度は地理情報システムGISを活用し,新潟県三条市川通北地区の電子地図作成と営農情報の入力を行った。これら情報は,わが国を代表する食料である水稲栽培に係る篤農家の暗黙知を定量化することで地域の営農技術の継承と経営安定に貢献する点で重要な意義を持つ。さらに,圃場を利用した食料生産に欠かせない農業機械を利用した耕うんに係るエネルギー消費を定量化して評価するシステムの構築を行った。このシステムを水稲作,畑作などへ適用範囲を拡大することで,食料生産に係る温室効果ガス排出量を定量化でき,農業生産と地球温暖化を関連付けて学習することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究目的の達成度という視点からは,教育現場での検証がやや不足している。そのため現場の研協力者と協議し,Skypeを活用した双方向の意見交換を行い,マルチメディア教材の実装に向けた打合せを拡充している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は地理情報システムGIS(ESRI社製ArcGIS 10.0)を活用し,新潟県三条市川通北地区に所在する尾崎泉地区生産組合が管理する圃場の電子地図作成と営農情報のデータ入力を行った。同地域は,わが国を代表する大規模水田圃場の集積地域にある。そのため,学校教育現場においては日本を代表する食料生産基地で活躍する篤農家の暗黙知を定量的に理解したり,地域農業の活性化や経営の安定に寄与する役割を学ぶことができる。さらに,圃場を利用した食料生産に必要不可欠な農業機械を利用した耕うんに係るエネルギー消費を定量化して評価するシステムを構築した。今後は自律ロボットとの組み合わせから当該システムの適用範囲を拡大し,食料生産に係る温室効果ガス排出量を定量化したうえで可視化し,農業生産と地球温暖化への対策を関連付けて学習できるシステムとして仕上げる。
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次年度の研究費の使用計画 |
生物育成・飼育と環境情報・画像データを自動計測する教材開発の最終年度に向けて,水田から発生する温室効果ガスを取り上げ,その測定結果を見える化するために,ガスセンサとICT機器を組み合わせたシステムの構築を図る。教育現場への導入普及を考慮して安価なセンサ類の使用に配慮する。
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