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2011 年度 実施状況報告書

熱および物質移動を考慮した大容量MAP

研究課題

研究課題/領域番号 23580350
研究機関愛媛大学

研究代表者

疋田 慶夫  愛媛大学, 農学部, 教授 (50127908)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード流通 / 青果物 / 品質 / MAP
研究概要

我が国のカンキツ生産は,新しい品種の導入や地域の特産的品種の増産など,消費者嗜好に対応するための多品目・高品質生産の方向にシフトしている。中でも晩柑類においては,20kg入りコンテナ単位での包装技術に依らない常温貯蔵が定着しているため,蒸散や呼吸作用による品質低下が生じ,高品質流通に向けての貯蔵体制の再構築が必要である。本研究は,従来の低温・少量MAP(Modified Atmosphere Packaging)の技術を常温下における15kg程度の大容量MAPに発展させ,産地における新しい高品質貯蔵体制の構築を目指すものである。 これまでの研究によって得られた数学モデルに包装内部での呼吸熱の発生と包装資材の伝熱特性(熱貫流率)を加味して,大容量MAPのための数学モデル(5元連立微分方程式)を作成した。これまでの研究によるプログラムを基に,上記の数学モデルによるシミュレーション・プログラムをほぼ完成した。得られた数学モデルとプログラムの妥当性を検証するために,ライム果実とイヨカン果実の呼吸モデルを5~25℃下で,蒸散モデルを20℃下で測定した。ライムは低温感受性の果実であるため,0,5,15℃下での貯蔵実験を4カ月間実施し,漏出イオンによる電気伝導率を測定して,限界温度5℃を確認した。果汁品質であるクエン酸含有量の変化は,5℃下で約0.4%/月の減少速度であった。これらの結果は平成24年6月開催の日本食品保蔵科学会大会で発表予定である。イヨカンでは,10kg単位の大容量MAPによる実験を行い,プログラムにおける熱貫流率の設定について検討した。 上記の実験に加え,これまでの研究結果を整理・検討し,論文執筆を完了した(日本食品保蔵科学会誌,平成24年5月投稿予定)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度に計画した(1)大容量MAPのための数学モデルを作成し,(2)数学モデルに基づくシミュレーション・プログラムがほぼ完成している。(3)プログラムによる計算結果を検証するための室内実験がやや遅れ気味であるが,これまでの研究結果を論文としてまとめることができたので,今後の対応が迅速になる。

今後の研究の推進方策

研究計画の変更は考えていない。数学モデルにおけるパラメータの設定を含めて,シミュレーション・プログラムを完成させ,種々の熱貫流率における計算を行い,断熱効果と結露の緩和効果を確認する。また,計算結果を検証するための大容量MAPの実験を継続して実施し,包装内ガス濃度,温度などの測定結果を計算値と比較するとともに,包装内ガス濃度および温度分布の測定結果からDiffusion Channelの導入について検討する。また,これらの研究結果を学会で発表するとともに,論文として公表する計画である。

次年度の研究費の使用計画

大容量MAPの実験を継続するための実験用消耗品

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公開日: 2013-07-10  

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