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2011 年度 実施状況報告書

農作物生産用温室における積層化した木質バイオマス燃焼炉の開発と燃焼性能

研究課題

研究課題/領域番号 23580352
研究機関大島商船高等専門学校

研究代表者

川原 秀夫  大島商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80300622)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードバイオマス
研究概要

本研究の目的は、薄板状の木質バイオマス燃料を積層化させ、自然対流を抑制した狭小流路を有するバイオマス燃焼炉を提案し、低空気過剰率でかつ火格子状の燃焼残渣が少なくなる高効率バイオマス燃焼炉の開発および燃焼特性を明らかにすることである。 この目的を達成するため、今年度(平成23年度)は、「薄板状木質バイオマス燃料を用いた燃焼場(自然対流の影響を抑制した環境下)において発生する燃焼界面の特異的な振動現象の把握」を行った。具体的には、既存の設備において燃焼状態を上部から観察するため、さらには燃焼界面近傍の温度場をサーモグラフィにて撮影ができるようにするため、耐熱ガラスから石英ガラスに変更した。また、装置側面から酸素ガスおよび燃焼ガスの流れを可視化できるようにするため、この部分の一部に石英ガラスを挿入した。 次に改良した実験装置を用いて、燃焼界面に発生する振動現象の観察を行った。実験条件は、酸素ガス流速、木質バイオマス燃料を設置している上下の板のプレート間隔および装置の傾斜角度(熱対流効果)を変化させて、燃焼界面の発達状況をディジタルCCDビデオカメラで撮影を行った。その結果、酸素ガス流速を大きく、さらにプレート間隔を大きくすると、通常の大気中で観察されるような炎を形成した燃焼界面が急速に発達した状態が観察された。これに対して、酸素ガス流速をある流速まで低下させ、さらにプレート間隔を5mmに固定すると、紙の場合に観察されたように燃焼界面に振動が発生し、酸素ガス流速の変化に応じて燃焼界面部の振動パターンが大きく変化することが確認された。また、紙の場合は燃料全体が均一であるのに対して、木質系バイオマス燃料は、不均一性が強いため(燃料内部に木目が存在している)、酸素ガスの流れ方向と木目の方向は平行か垂直かによって、燃焼界面部に発生する振動が大きな影響を受けることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、実験観察および計測方法を容易にするため既存設備の改良を中心に行った。さらにこの設備を用いて薄板状木質バイオマス燃料での燃焼界面観察を行った結果、この木質系バイオマス燃料ならではの特異的な現象を捉えることができた。

今後の研究の推進方策

木質系バイオマス燃料は不均一性が強いため、この不均一性が燃焼場に大きな影響を与える可能性がある。今後の研究では、この燃料を用いた時に発生する燃焼界面の振動パターンと木目との関連をさらに詳細に検討し、燃焼界面付近の流れ場、温度場および燃焼生成物の計測を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

燃焼界面付近の流れ場および温度場の情報を時系列で捉えるため、ディジタルレコーダの購入、さらに燃焼生成物を採取するためのガスサンプリングプローブの購入を考えている。また供給する酸素ガス流量を精密に制御するため、マスフローコントローラも購入する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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