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2012 年度 実施状況報告書

近赤外分光イメージングによる植物内水移動可視化システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23580355
研究機関岩手大学

研究代表者

松嶋 卯月  岩手大学, 農学部, 准教授 (70315464)

研究分担者 庄野 浩資  岩手大学, 農学部, 准教授 (90235721)
キーワード近赤外イメージング / 植物細胞観察 / 透過型イメージング
研究概要

H24年度の目的は近赤外線イメージングおよび重水トレーサを用いた植物内水移動のミクロレベルの可視化であり,植物細胞に重水トレーサが吸収される過程の連続画像を取得することを到達目標とした.まず,重点ポイント②近赤外線に適したレンズの性能比較,および,照明方法の検討を行った.スポットライトおよび採用した倍率10倍の近赤外線レンズを用いることで,30μm程度の空間分解能で近赤外線イメージを撮影可能であるが植物細胞の観察には5μmから10μmの空間分解能が必要と考えられた.そこで,画像に生じる照明むらを解消するため落斜照明を試みたが,既存の光源では光束が不十分であった.以上から,ハロゲン光源と集光レンズを組み合わせた透過型照明方式を採用することとした.しかし,カメラへの入射光が微弱であるため,カメラからの入力画像を加算し微弱光でも観察可能にするソフトウエア開発を行った([3]ユーザーインターフェースの構築,重点ポイント⑤操作の簡易性).本ソフトウエアでの加算によって画像のノイズが軽減されたため,取得される画像の空間分解能は5μmから10μmとなり,結果的にイメージングシステムとしての機能が改善した.これにより,近赤外分光イメージング装置は植物細胞観察に適したシステムとなった.一方,H24年度の2つめの重点ポイントである③細胞の固定を行うジ具を開発することに関しては,植物細胞を観察できる画像を得ることが先決であったため,重点ポイント⑤のソフトウエア開発を先行して行い,H25年度の重点ポイントに変更した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画の課題[1]の”マクロレベルの可視化”(重点ポイント①)についてはH23年度末までに一定の成果が出たため,H24年度は課題[2]の”ミクロレベルの可視化”に取り組むこととした.その結果,重点ポイント②の”近赤外線に適したレンズの性能比較,および,照明方法の検討”について,数点のレンズを比較した上でシステムに適したレンズを本補助金で購入し,また既存の光源の能力を生かし集光レンズとの組み合わせで透過型照明装置を制作および試験の上で採用した.その結果得られた画像は光源の光が微弱で,かつ,カメラのノイズが加わるために植物細胞観察に必要な空間分解能が得られなかった.その問題を画像処理で解決するためにH25年度での実施を計画していた[3]の”ユーザーインターフェースの構築”重点ポイント⑤のシステム用画像処理システムの構築を前倒しで行った.その結果,近赤外分光イメージング装置は植物細胞観察に十分な空間分解能を持つに至った.本研究を遂行する上では,植物細胞を観察できる画像を得ることが先決であったため,H24年度の2つめの重点ポイントである③細胞の固定を行うジ具を開発することに関してはH25年度へ先送りすることとした.

今後の研究の推進方策

必要な空間分解能が得られない問題を画像処理で解決するためにH25年度での実施を計画していた[3]の”ユーザーインターフェースの構築”重点ポイント⑤のシステム用画像処理システムの構築を前倒しで行い,H24年度の2つめの重点ポイントである③細胞の固定を行うジ具を開発することに関してはH25年度へ先送りすることに伴い,実験計画を一部変更することとした.H25年度にはH24年度の2つめの重点ポイントである③細胞の固定を行うジ具を開発し,シャジクモの細胞に水移動を示す重水トレーサが吸収される過程の連続画像を取得する.つづいて,当初からH25年度に計画していた[3]の’ユーザーインターフェースの構築’の重点ポイント④であるマクロ・ミクロ両レベルの可視化装置のサイズ小型化に取り組む.

次年度の研究費の使用計画

繰越金がないために該当しない.

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公開日: 2014-07-24  

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