研究課題/領域番号 |
23580360
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
鹿内 健志 琉球大学, 農学部, 准教授 (20264476)
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研究分担者 |
大嶺 政朗 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 主任研究員 (20355598)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 農作業情報 / GPS / 地理情報システム / 農作業計画 |
研究概要 |
農業生産法人,共同利用組織,集落営農等では,地域全体の農地や農作業の地割や受委託作業の振り分けを効果的に行い,また,生産法人等が管理する広域に分散する圃場での農作業を効率的に行うことができるように支援する必要がある。本研究では農作業自動記録装置,地理情報システム(GIS),数理モデルを活用し,多様な生産条件に対応する集落営農・生産法人等を支援するサトウキビ作業支援システムを開発する。具体的には,(1)複数の農業機械で着脱可能な汎用的農作業自動記録装置の開発,(2)生産法人の作業効率を向上させる農作業請負および地域全体の農作業運営の立案手法の確立,(3)天候や特別な事情に応じたスケジュール変更が容易な農作業最適化シミュレーションを可能とする農作業モデルの開発,(4)研究成果を統合し集落営農・生産法人等が利用可能な実用的農作業支援システムのパッケージ化の4項目を行う。平成23年度は、生産法人や集落営農組織でのサトウキビ栽培を対象にし、汎用性のある農作業の自動記録装置の開発のため、サトウキビ収穫機に記録装置を設置し農作業データを収集した。自動記録装置の性能を確認するとともに、収集したデータから収穫機の作業特性を求め、それぞれの圃場の特性(面積、形状、栽培状況等)や対象とする地域における圃場分布の状態と機械の作業特性の関連を解析した。沖縄県の二つの地域のサトウキビ栽培地域を対象地域として選び農作業データを収集した。シミュレーションモデルについては計算速度を速めるための新しい手法について検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生産法人や集落営農組織のための自動農作業記録装置については開発の目途が立っている。農作業データの分析については、栽培体系が異なる二つの地域を対象として分析を行っており、多様な生産条件における農作業計画立案のための基礎データが収集されつつある。農作業最適化のシミュレーションモデルはいくつかの計算手法の評価を行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に収集した収穫作業における作業特性と生産法人や集落営農組織の対象とする圃場の空間分布特性との関連を明らかにし、圃場ごとの収量、糖度などのデータを用い、収穫作業計画立案の指針を得る。指針の評価はシミュレーションモデルを用い行うため、モデルの改善および高速化アルゴリズムの開発を進めていく。また、沖縄県南部地域の他、中部・北部および離島地域のデータ収集を順次行いながら、地域農業の特性に応じた営農組織間の地割や受委託作業の振り分けを効果的に行う評価方法を確立していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度の沖縄県のサトウキビ生産量低減により、収穫作業時期が年度末にずれ込んだため、調査旅費の繰り越しが生じた。平成24年度は農作業データ収集の継続のため,装置の保守等の経費および研究分担者の沖縄までの調査旅費や離島調査の旅費として使用する。
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