• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

多様な生産条件に対応する集落営農・生産法人等の農作業支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23580360
研究機関琉球大学

研究代表者

鹿内 健志  琉球大学, 農学部, 准教授 (20264476)

研究分担者 大嶺 政朗  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (20355598)
キーワード農作業情報 / GPS / 農作業能率 / ケーンハーベスター
研究概要

農業生産法人,共同利用組織,集落営農等では,地域全体の農地や農作業の地割や受委託作業の振り分けを効果的に行い,また,生産法人等が管理する広域に分散する圃場での農作業を効率的に行うように支援する必要がある。本年度は分散する圃場での農作業の受委託作業の振り分けを効果的に行うための指針を得るため,沖縄本島北部地域および離島地域の圃場規模が異なる地域を選択し,本研究で開発した農作業自動記録装置をサトウキビ収穫機に設置し農作業データ収集を行った。農作業自動記録装置はGPSにより収穫機の作業位置および時刻を記録すると共に,エンジン回転数,左右の収穫機分草部の上下動を記録することができ,正確な作業状況を記録することができる。また,本装置は他の作業機の作業記録を可能とする汎用性を有する。収集した農作業データの解析により,エンジン稼働中の作業速度の変化から作業走行状態や停止状態(収穫袋の積み降ろし・取付作業など)が把握できることを確認し,作業軌跡や速度のヒストグラムによって作業能率のばらつきなどを把握することが可能となった。また,調査した離島地域では,一日の稼働時間のうち作業走行しているのは全期間にわたって30~52%であり,他作物の機械収穫と比較しても停止時間が多く作業能率を低下させている可能性が高いと考えられた。停止時間について連続停止時間長ごとに分類した結果,収穫物の積降時間と推定される1分未満の停止時間は1日の作業時間(9.5時間)の23%,通常作業では想定されない5分以上連続停止が約19%であり,これが作業能率の低下要因の一つであると考えられ,収穫作業で改善すべき点が明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

生産法人や集落営農組織のための自動農作業記録装置については,農作業機械に実装し性能の確認を進め,ほぼ完成している。また,農作業データ解析は沖縄県本島北部地域および離島地域のデータを解析中で,農作業計画立案のための基礎データが収集されつつある。

今後の研究の推進方策

平成24,25年度に収集した収穫作業データをGISを利用し解析を進め,対象とする圃場の空間分布と作業性能の特性との関連を明らかにする。地域農業の特性に応じた営農組織間の地割や受委託作業の振り分けを効果的に行う評価方法を確立し,農作業シミュレーションモデルによる農作業受委託の最適化について検討する。

次年度の研究費の使用計画

離島における農作業データ調査の際,現地での立ち会い調査を2回実施する計画であったが,航空券の確保や現場との日程調整がうまく進まず,1回の調査で終わってしまったため旅費の繰り越しが生じた。また,自動農作業記録装置の部品コストが低減したため物品費の繰り越しが生じた。
平成26年度は農作業データ収集の際の現地立ち会い調査のほか,現地での生産者等への聞き取り調査を行い,シミュレーションモデル改善のデータ収集を行うため旅費として使用する。また,一部の自動農作業記録装置は作成後3年経過するのでの部品メンテナンスに使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] GPSを用いたサトウキビ機械収穫における作業能率低下要因の解析2013

    • 著者名/発表者名
      大嶺政明,鹿内健志
    • 学会等名
      第72回農業食料工学会年次大会
    • 発表場所
      帯広畜産大学(帯広)
    • 年月日
      20130910-20130913
  • [学会発表] 農作業情報記録装置による沖サトウキビ収穫機の作業モニタリング技術の開発)2013

    • 著者名/発表者名
      大嶺政明,鹿内健志
    • 学会等名
      沖縄農業研究会 第52回(平成25年度)大会
    • 発表場所
      琉球大学(西原町)
    • 年月日
      20130809-20130809

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi