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2012 年度 実施状況報告書

家畜飼料からの強抗酸化物質“エルゴチオネイン”の検索と赤肉内抗酸化能の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23580364
研究機関山形大学

研究代表者

高橋 敏能  山形大学, 農学部, 教授 (70113959)

研究分担者 貫名 学  山形大学, 農学部, 教授 (20113970)
キーワードエルゴチオネイン / タモギタケ / 廃菌床 / ヒツジ / 肉 / 鮮度保持
研究概要

高橋敏能:稲わらを対照粗飼料、タモギタケ廃菌床を試験粗飼料に用いて各種食品副産物を素材とした発酵TMRを調製して5ヶ月間ヒツジに給与する肥育試験を実施した。タモギタケおよび稲わら廃菌床を用いた発酵TMRとも良質な品質だった。肥育試験中血液中の遊離脂肪酸、尿素態窒素、グルコースおよびコレステロール濃度は給与飼料間に差がなく、ほぼ正常値だった。血漿中のTBARSも給与飼料間に差がなかった。屠殺解体後の背最長筋の肉色のうち、L値(明度)とb値(黄色度)は給与飼料間に差がなかったが、展示2日と3日目の試験区(タモギタケ廃菌床発酵TMR給与区)のa値(赤色度)が高かった。メトミオグロビンの割合は、展示1日目以降試験区が対照区より低く推移した。以上の結果、タモゴタケ廃菌床を給与すると赤肉の鮮度保持効果があると考えられた。
貫名学:タモギタケに含まれている強抗酸化物質であるエルゴチオネイン(ERT)を分析した。具体的には、ヒツジの肥育試験時の赤血球中のERT含量についてHPLC法による分析条件を確立し分析を行った。また、肥育試験に用いた稲わら、タモギタケ廃菌床の各々について、ヘキサン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、水を連続的に用いる段階的溶媒抽出法を実施し、それぞれの抽出物を得た。ERTは水区に存在すると思われたが、HPLC検出には至っていない。クロマトグラフィーによる精製が必要と思われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高橋敏能:タモギタケ廃菌床を用いて品質が良質で品質の保持効果がある発酵TMRを調製することができた。また、ヒツジにタモギタケ廃菌床を給与しても飼料の嗜好性は問題なかった。肥育試験終了後のタモギタケ廃菌床を給与して肥育したヒツジの赤肉はメトミオグロビンの鮮度が低く、a値が高く推移する傾向だったので、タモギタケ廃菌床給与による赤肉の鮮度保持効果があると判断された。
貫名学:HPLCによる赤血球中のエルゴチオネイン(RRT)の分析方法を確立した。また、タモギタケと稲わらのERTを各種溶媒を連続的に用いて段階的抽出を行った結果、ERTは水区に存在すると思われた。

今後の研究の推進方策

高橋敏能:2カ年の研究成果を口頭発表により学会で発表する。また、3カ年の研究成果を報告書または研究報文として纏める。
貫名学:昨年度に引き続き、タモギタケと稲わらのエルゴチオネイン(ERT)の分析方法を検討する。さらに、確立したERTの分析法によりタモギタケと稲わらのERTの定量分析を実施する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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