研究課題/領域番号 |
23580364
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高橋 敏能 山形大学, 農学部, 客員教授 (70113959)
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研究分担者 |
貫名 学 山形大学, 農学部, 教授 (20113970)
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キーワード | 飼料 / エルゴチオネイン / タモギタケ廃菌床 / 抗酸化能 / 発酵TMR / 赤肉 / 鮮度保持 / メトミオグロビン |
研究概要 |
タモギタケには強抗酸化物質であるエルゴチオネイン(ERT)が含まれていることが知られている。タモギタケ廃菌床にも菌糸由来のERTの存在を想定して試験粗飼料とし、稲ワラを対照粗飼料に用いて発酵完全混合飼料(TMR)を調製し、発酵品質と消化性を調査した。また、ヒツジに稲ワラ発酵TMR給与(試験区)とタモギタケ廃菌床発酵TMR給与(対照区)給与する肥育試験を実施し飼料の利用性および血液と赤肉の抗酸化能を調査した。併せて、ヒツジに給与した場合の赤血球のERT濃度への影響を検証すると共にタモギタケ廃菌床中のERTの検出を試みた。両発酵TMRとも品質は良好だった。In vitro法による乾物消化率は稲ワラが廃菌床より高かったことから飼料要求率は試験区が対照区より高かった。血漿中のTBARS濃度は、両飼料給与区間に違いがなかった。背最長筋のメトミオグロビンの割合は、対照区が展示1日目に40%に達したのに対し、試験区は展示1日目以降、対照区よりも低く推移した。また、背最長筋のTBARSは試験区が低い傾向を示した。しかし、赤血球中のERT濃度は個体差が大きく給与飼料間の差は明確でなかった。また、廃菌床および稲ワラ中のERTを検出するために、それぞれをヘキサン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、水を用いて段階的に溶媒抽出した後、それぞれの抽出物を得た。ついでERTが含まれると思われる水抽出物について更にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画し、ERTが溶出されると思われるメタノール水溶出画分についてHPLCおよびUPLC-PDA-ESI-MS検出器を用いてERTの検出を試みたが、いずれの抽出物中にもERTを明確に検出できなかった。以上の結果、タモギタケ廃菌床給与によりヒツジの赤肉が鮮度保持される傾向があったのは、ERT以外の未確認物質の影響が考えられた。
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